2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧
古民家中の白眉は、宝暦13(1763)年竣工の旧三島家住宅。幕府から払い下げを受けた檜材を大量に使用したとある。もっとも、創建時には緻密で光沢を放っていたであろう黄白色の表面に昔日の面影はない。長年に渡り囲炉裏の煙でいぶされ、現在は黒光り…
老子とともに道家の始祖とされる、荘子のことばから。以利合者、迫窮禍患害相棄也。 以天屬者、迫窮禍患害相収也。 利を以て合う者は、窮禍患害に迫って相棄(す)つ。 天を以て属する者は、窮禍患害に迫って相収(おさ)む。 利害関係で結ばれたものは、苦…
住友病院の辺りに藩邸を構えていたのは、柳川10万石及び高松12万石。高松、久留米両藩の敷地は頭抜けて広い。広島、鳥取、福岡といった藩邸も、先に挙げた館林藩よりは規模が大きい。ところで、話は熊本藩の参勤交代に移る。新幹線も高速道路も現在は、…
「雲」に相当する英語は“cloud”。「ソフトやデータを自分のパソコンではなく、ネットワーク上にあるサーバに保有する」意味で使用するらしい。ところで、英単語“cloud”には逆境にある人を励ます慣用句も存在する。“Every cloud has a silver lining.”「どん…
本日は、時代劇『水戸黄門』の主題歌『ああ人生に涙あり』についての話題。出だしの「♪人生楽ありゃ苦もあるさ」の歌詞を「雲あるさ」と思い込んでいる向きがあるのだという。慣用句「楽あれば苦あり」に馴染みがなかったことによる誤解だろうが、心配は要ら…
三井ビルで思い出されるのは、クリスマス・イルミネーション。ビル東面をカンバスに見立てたサンタクロースや雪だるまの図柄が、浪速っ子の話題をさらった。ブラインドを利用して描き出すらしいが、味な演出をするものである。惜しまれつつ2013年を最後…
杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』四段。 「意味は同じでいながら、耳で聞くと、別々の言葉のように思えるものを挙げてみよう。まず、もったいぶった僧侶の言葉、また、男言葉と女言葉も区別がある。賤(いや)しい身分の者たちの言葉も、上流社会…
旧宝蔵寺庫裡の屋根は、ほぼ60度と急。ある程度まで雪が積もると、自然に落下する角度なのだという。白川郷と同じだが、異なるのが屋根の形。切妻(2枚のカードを向かい合わせに立てた形)を主とする白川郷に対して、荘川では寄せ棟(台形2枚と三角形2…
荘川町新渕(あらぶち)の庄川右岸、R158の西側に位置。豪農から一般農家まで、重文を含む荘川式古民家を移築・展示している。居住者がいないため、内部を自由に見て回れるのが売り。大人400円。12月〜3月は休館。水曜定休。先ず、右手に見える茅葺…
老子とともに道家の始祖とされる、荘子のことばから。直木先伐、甘井先竭。 直木は先ず伐られ、甘井(かんせい)は先ず竭(つ)く。 まっすぐな木は、一番先に切られる。また、水質の良い井戸は、一番先に涸れる。よく汲み取られるから。有用・有材のものが…
1837(天保8)年に発刊された古地図の4回目。四つ橋筋付近に目を転じてみよう。東側には、山形6万石、長府5万石、岡7万石(大分県竹田市)、府内2万石(大分市)、岡山31万石、平戸6万石の各藩が蔵屋敷を構えている。その跡地に今そびえるのは…
地図が発刊された1837(天保8)年、町奉行所の与力、大塩平八郎が挙兵している。天保4年から続く冷害と洪水で飢饉が全国に波及。急騰する米価。大阪でも連日餓死者が続出する有り様。窮民救済に乗り出さない幕府に業を煮やしての行動だったという。中…
VICSからの情報をナビが受信。50キロほど北の高鷲・美濃白鳥間で6キロ混雑の表示。ぎくっとしたが、赤ではなく幸いオレンジ色。走行5分ごとに1キロ短縮。白鳥に到達すると、混雑は雲散霧消していた。東海北陸道を更に北上。目的地は白川郷だが、40キ…
一宮市は、人口37万人から想像されるほど賑やかではない。周囲に田畑も見える、小さなSSで満タンにしてもらう。プレミアム172円は、大阪とほぼ同じ。安からず、高からずと喜んでいたら、2日後に満タンにすることになる南條SA(福井)では、何と192…
「月は有明。東の山の端にほそうて出づるほどあはれなり」 杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』二百二十八段。 「月は、有明のほっそりとした姿で、東の山ぎわにかかるのが、いちだんと哀れふかい」 庶民は、意見を異にしただろう。「光害」で星の観…
“I don't want to be a third wheel.” 「3番目の車輪にはなりたくないよ」「お邪魔しちゃ悪いだろう」 カップルから「一緒に来ない?」と誘われて断る時の慣用句。“third wheel”「お邪魔虫」「足手まとい」。 何か別のことをやっている相手に話しかける際に…
清洲JCTで一宮線に合流。順調そのものだった名古屋高速に変化が起きるのは、一宮JCTまで2キロに近づいた頃。走行車線だけが急に数珠繋ぎとなる。名神の渋滞が渡り線を溢れさせ、一宮線にまで繋がってきたのであろう。お出かけ前のシミュレーションで先刻承…
老子とともに道家の始祖とされる、荘子のことばから。無以巧勝人、 無以謀勝人、 無以戦勝人。 巧(こう)を以て人に勝つこと無かれ、 謀(ぼう)を以て人に勝つこと無かれ、 戦いを以て人に勝つこと無かれ。 心の中にまことをおさめ、自然に逆らわぬように…
昨年11月のGPシリーズ第3戦に登場した、羽生結弦選手。ウォームアップ中に中国人選手と衝突し、流血する不運に見舞われた。“This is not the time to be a hero. You have to take care of yourself.”「今はヒーローになろうとするべき時じゃない。自分の…
1837(天保8)年発行の古地図を眺めると、中之島や対岸の堂島には諸藩の蔵屋敷が所狭しと建ち並んでいる。蔵屋敷というのは、領内から運ばれた年貢(米穀や特産物)の貯蔵兼販売事務所のこと。大名とて貨幣経済の浸透と無縁ではいられない。現金を入手…
土曜日の昼前にしては空いている名二環を北上。高架の割に見晴らしが良くないのは、両サイドの防音壁が透明ではないから。せめて阪和道や第二京阪並みに改めるべきだろう。走行する車両以外に見えるのは、前方遠くの低い山並み。当てずっぽうでは、和紙で知…
一番高いのは、「水屋」と呼ばれる緊急避難用の建物。中には土台だけで標高4メートルを超す立派なものもある。堤防は、通過した辺りで3,4メートル。場所によっては7メートル。更にその上を立体交差している東名阪道。路面までは少なくとも10メートル…
メタボを改善できないでいるくせに、部下には「痩せろ!」と言う上司がいたとしよう。 “Look who's talking!”「人のことを言えた義理か!」「よく言うよ!」 がピッタリ。直訳は「誰が話しているのか、よく見ろ!」。自分を客観視できない発言者に反省を求め…
「欠伸。兒ども。なまけしからぬえせもの」 杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』二百八十五段。 「見ているうちに伝染するものは、あくび。それと子供の猿まね。よきにつけ悪しきにつけ、大人の言動をすぐ子供はまねたがる」 あくびは、確かに伝染す…
その昔、東海道を下る旅人は多くが桑名から海路を利用。対岸の宮宿(名古屋市熱田区)までの七里を船上で過ごした。七里の渡し跡で目を引くのは、一の鳥居。式年遷宮に合わせて建て替えられ、往時は対岸の宮宿から伊勢路入りする旅人を迎えるシンボルだった…
老子とともに道家の始祖とされる、荘子のことばから。以天下爲之籠、 則雀無所逃。 天下を以て之(こ)れが籠(かご)と為(な)せば、 則(すなわ)ち雀(すずめ)、逃るる所なし。 この世界が一つの籠だと考えるならば、もはやスズメたちには逃げ場はない…
ほどなく四日市JCT。湾岸道に乗り換える車両が次々に走行車線に移動してくる。左へ分岐した渡り線は右カーブし、アンダーパスで本線とクロス。東へ向かう。伊勢湾岸道からの眺めはなかなかのもの。福島へ出かけた2年前、夜景を堪能させて貰った。今回は直進…
右下に「高麗橋壹丁目 浪華書林 播磨屋九兵衛梓」とある。「梓(あずさ・シ)」は、版木のこと。当時の書物は、梓の木版に刻して印刷した。高麗橋1丁目は、東横堀川を南下してすぐ西側。現在の堺筋線北浜駅周辺である。1837(天保8)年発行。南を上に…
予定より20分早く、午前10時過ぎに御在所SAに到着。夏休み中の週末ということもあり、EXPASA館内は親子連れでごった返している。FミマやSタバ効果か。小休止して、すぐ本線に戻る。防音壁が透明ではないから、両サイドの風景はシャットアウト。脇見防止…
利き酒シリーズの7回目。比較のため、12年と合わせて2本同時に封を切る。食卓にかすかな芳香が漂う。滅多にできることではないから、気分はゴージャス。グラスを複数用意。12年を先に、次いで15年を注ぐ。どちらにも粘性が感じられるが、予想通り1…