まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

2016-01-01から1年間の記事一覧

招月庭(4)

和装の妙齢女性が登場。新たに案内係となり、庭の棟5階客室へ案内される。広めの玄関に12.5畳の和室。4人掛けの応接を置いた広縁。3畳ほどの三面鏡付き化粧スペース。洗面台は全面鏡。洗顔ボウルも2つ設えられている。温水シャワートイレはTOTOの最…

Han Feizi(19)

荀子に学び、刑名法術(今日でいう政治法律)を唱えた韓非子のことばから。説之難、 在知所説之心、 可以吾説當之。 説(ぜい)の難きは、 説く所の心を知りて、 吾が説を以て之れに当(あ)つべきに在(あ)り。 遊説は難しい。「説く所」すなわち被説者の…

招月庭(3)

車を降り、着替えとレンズを詰めたリュックを背負い、本体とストロボ入りのバッグを首からぶら下げ、右手に大型三脚という出で立ちになった。お出迎え係から「荷物をお持ち致します」の声が早速掛かる。でも、ガメラは自分で運びたい。辞退し、代わりに隊長…

招月庭(2)

円山川の支流に大谿(おおたに)川がある。ほぼ東流し、河口付近の円山川に注ぐ。川に寄り添うような狭い道が、城崎のメインストリート。療養中の小説の神様、志賀直哉がそぞろ歩いたところである。センターラインも歩道も無し。両側には大小の旅館がびっし…

招月庭

予約の際、フロント係がアーリーイン・サービスを提案。2時にチェックインが可能となる。先方の好意故、追加料金なし。素直に受ければいいのに、多少天の邪鬼的な傾向のある性格。当日は長距離運転になる。疲労気味なら、散策することさえ億劫だろう。夕食…

山田毅展

記憶に残った作品から。小品では、「円山川緑季」。奥から手前に向かって穏やかで大きな流れ。左右に緑の河原。山裾に朝靄を抱いた山々を奥に配置する単純な構図が素晴らしい。季節は、春だろう。のどかで、生気に溢れた風景画。R426の円山川大橋から南方…

たとしへなきもの

杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』七十二段。 「比較のしようもなく違うものは、夏と冬。夜と昼。雨降りの日と晴天の日。若者と老人。笑う人と怒る人。黒と白。好感と悪感情。藍色と黄色。雨と霧。また同じ人でも、おたがいに愛情を失ってしまった…

円山川公苑(3)

カルガモのつがいが泳ぐ池を左に見ながら南へ歩くと、すぐに美術館。日本画家、山田毅展(10/8〜12/4)を開催中とある。日本画は、我が国在来の技法・様式による絵画。岩絵具(いわえのぐ:日本画に使用する顔料で、鉱物から製する)、墨、和紙や絹…

円山川公苑(2)

駐車場所に戻るや否や、 「あッ、運転手来た!」 と小学生の声。確かに片道で250キロほどハンドルを握ったが、転がしたのはKB。バスではない。早とちりは、待ちわびている証拠だろう。気の毒。即座に 「何言うてんねん、ぼけッ! 運転手がカメラ持ってる…

Han Feizi(18)

荀子に学び、刑名法術(今日でいう政治法律)を唱えた韓非子のことばから。輔依車、 車亦依輔。 輔(ほ)は車に依り、 車も亦(ま)た輔に依る。 車の両脇で車が外れないように支える「輔」と車とは、互いに相依り相助けて用をなしている。両者の関係は、切…

円山川公苑

チェックインまでの時間潰しに予定外の訪問。豊岡市の円山川右岸に位置。200台収容の無料駐車場に入っているのは、神戸ナンバーの大型バス1台と乗用車3台のみ。ガラーンとしている。見学を終えた小学生の一団と引率者がバスの周りをウロウロ。運ちゃん…

『グラン・トリノ』(6)

[Walt nods. Father Janovich threw a bull's-eye. Almost.] Walt Kowalski : You have balls,Father. And what you said,you're right. I'm sure stronger than me have found their salvation. Hallelujah. But there's one thing you're way wrong about.…

『グラン・トリノ』(5)

印象的なシーンから。結末とも関係する。 Father Janovich : Things done during war are terrible,being ordered to kill,killing to save others,killing to save yourself. You're right,those are things I don't know anything about. But I do know ab…

『グラン・トリノ』(4)

国産を愛用する、主人公ウォルトの思いとは裏腹。長男は、商売敵Tヨタのディーラーに勤めている。愛車はゴージャスな四駆、白のランドクルーザー。4.7リッターV8に5速ATの組み合わせ。2.2トンの巨体でもぐいぐい引っ張る力持ち。家族4人が乗っても、余…

おぼつかなきもの(4)

杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』七十一段。 「暗い場所で、苺を食べるときの気分―。これもなんとなく秘事(みそかごと)めいて落ちつかない。悪事を働いているわけでもないのに、スリリングな気分にとらわれるのは、苺と暗さの、微妙な取り合わ…

sparrow

ツバメには存在する慣用表現が、残念ながらスズメにはない。やむを得ず、『ハムレット』の第5幕から引用する。公平を期さねば、スズメに気の毒だから。 Horatio:If your mind dislike any thing,obey it. I will forestall their repair hither,and say you…

swallow

本日も、とりとめのない話。我が垂直長屋北隣の仕舞た屋。築半世紀と思しき二階建て瓦屋根にスズメの巣がある。その「玄関先」に十羽ほどが群れ、チュンチュン騒いでいる。5羽のツバメが順に飛来。ねぐらすれすれに飛ぶのが大騒ぎの理由。初夏、食料品の買…

Han Feizi(17)

荀子に学び、刑名法術(今日でいう政治法律)を唱えた韓非子のことばから。知臣莫若君、 知子莫若父。 臣を知るは君に若(し)くは莫(な)く、 子を知るは父に若くは莫い。 臣下の良し悪しを最もよく知る者は、これを用いている君主以上の人はなく、 また、…

『グラン・トリノ』(3)

72年式5.8リッターV8にご執心なのは、身内では長男夫婦の長女。葬儀でへそ出しピアス姿を披露したことも祟り、ウォルトには譲る気がさらさら無い。モン族の不良グループも目をつけており、隣人の少年タオをそそのかす。夜間、窃盗を試みるが、敢えなく撃退…

Remy Martin 1738(5)

何人かで味わうには寂しい量となった頃、別口から栗を頂いた。一粒300円はするマロングラッセ故、引退者の口に入らなくなって久しい。作ってみるか、となった次第。もっとも、当方は傍観者。パティシエールを務めるのは隊長である。側で見ているのは、も…

『グラン・トリノ』(2)

作品名は、磨き上げられ、大切に保管されているフォード製中型乗用車に由来。当時グラン・トリノに用意されていたエンジンは、直列6気筒の4.1リッターからV8の7リッターまでの5種。トランスミッションは、3速MT、4速MT、3速ATの3種。ボディタイプ…

『グラン・トリノ』

本年10月某日、NHKのBSでの放送。C・イーストウッド制作・監督作品。2008年公開。自ら、主人公のウォルト・コワルスキを演じている。ウォルトはポーランド系アメリカ人。朝鮮戦争に従軍。戦功勲章を授与されているが、当時の行為に良心の呵責を受けて…

おぼつかなきもの(3)

杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』七十一段。 「新参の、性格もまだよく分からない召使いに、貴重品を持たせて使いに出し、それがなかなか帰ってこないのも、じつに心もとない。まだ口のきけない赤ん坊が、反りかえって激しく泣きたて、抱きあげて…

Remy Martin 1738(4)

「こんにゃく」ならぬCognac。そこらの国産物とは違い、スムーズに喉を通る。確かに旨い。大麦を原料とする「命の水」と異なり、元はブドウ。フルーティなのは当然。印象をコメントしたいところだが、難しい。付き合い始めて40年ほどになる「命の水」と比…

Remy Martin 1738(3)

1738年頃のフランスは凶作続き。深刻な食糧難に見舞われ、ルイ15世はブドウ栽培の制限を発令。ブドウ畑が主食の麦畑に次々と転換される中、逆にブドウ畑の拡張を許す特権(アコール・ロワイヤル)を唯一授けられたのがレミー社。コニャックの品質に感…

Han Feizi(16)

荀子に学び、刑名法術(今日でいう政治法律)を唱えた韓非子のことばから。取之内府、 而臧之外府也。 之れを内府に取りて、 之を外府に蔵(おさ)む。 自分の家の蔵から取り出して、 外の蔵に置く。 ある国を奪おうとするとき、1つの手段として、自国の大…

Remy Martin 1738(2)

ボトルにも描かれているケンタウロスは、4代目の経営者、ポール・エミール・レミー・マルタン(1810〜1875)がロゴに指定したもの。新たに米国やアジアに販路を拡大しただけではなく、優れたtasterでもあったとか。ロゴは、本人が射手座の生まれだ…

おぼつかなきもの(2)

杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』七十一段。 「また、さほど懇意でもない家へ、月のない闇の晩に出かけたはいいが、『おたがい同士、あまりはっきり姿を見せ合うのもぶしつけでしょうから』などと家の主人が心づかいして、ろうそく灯火もつけない…

“Buy now,pay later.”

「今買って、支払いは後」 月賦払いやクレジットカード利用を呼び掛けるうたい文句。先憂後楽ならぬ、先楽後憂がはびこる米国社会。資産家の子にでも生まれない限りは、家も車もローンが当たり前。日本に住んでいて年収20万ドル(約2千万円)と聞けば、夢…

Remy Martin 1738

大先生から拝領の高級ブランデー。包装紙を開くと、姿を現したのはクリーム色の紙箱。金筋2本に縁取られ、上部にケンタウロスが描かれている。上半身が人体、下半身が馬の形は、ギリシア神話でお馴染み。ボトルは太めのシャンパンタイプで、ほぼ無色透明。…