まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「立派な衣装」(2)

各務クリスタル製作所(現カガミクリスタル:海外の日本大使館など、在外公館の公式備品を担当)に依頼。宙吹き成型(型を使用せずに、手吹きだけで仕上げる製法)にこだわりを見せる。販売価格の上昇に拍車をかけたものの、スーパーニッカは常に払底。生産…

「立派な衣装」

昭和36(1961)年早々、妻リタが64歳で逝去。肝硬変だったという。期するところがあったのだろう。新たな高品質ウィスキー造りに没頭すべく、息子の威(たけし)と共に研究室に入り浸りの日々が続く。努力が実を結び、発売にこぎ着けたのが初代スー…

御前の火炉に

吉田兼好著『徒然草』二百十三段から。 「帝の御座前にある炉に火をつぐ場合には、火箸で挟むことをしない。火を入れてきた土器から直接に炉にあけるのがよい。だから、火が転げ落ちないように気をつけ、予め炉に火のついていない炭を積んでおくべきである。…

アイラ島

別名「ウィスキーの聖地」。ボウモア、ラフロイグ、ラガヴーリンなど、現在8ヵ所の蒸溜所が稼働中。1ヵ所が再開を目指している。留学中の政孝がアイラ島を訪ねることは、恐らくなかっただろう。20世紀初頭であれば、留学先から「聖地」まで船便を乗り継…

ヘーゼルバーン蒸溜所

部外者に製造現場を見せるなど、稀な時代。3ヶ月に及ぶ「長期」実習を可能にしたのは、並みの職人なら嫌がるポットスチル内洗浄を進んで引き受けるなど、マッサンの「努力」が寄与したからだろう。ウィスキー製造法を精緻にまとめた「竹鶴ノート」。ヘーゼ…

キャンベルタウン

マッサンこと、竹鶴政孝がグラスゴー大学に留学し、応用化学を学んでいた1919年頃のこと。ネトルトン著『ウィスキー並びに酒精製造法』と出会う。頭で理解しただけで、実際に酒造りができる訳ではない。実家が造り酒屋故、先刻ご承知。ウィスキー造りを…

昭和の暮らし(13)

祖母がつけていた、昭和27(1952)年12月の家計簿から。 野菜への出費は、 白菜55円、40円。里芋70円、20円。ごぼう10円。 の5回のみ。12月の支出に占める野菜の割合は1%であり、かなり少ない。大根、ほうれん草、かぶ、キャベツなど…

“Inside the Actors Studio”(4)

老若男女、どのゲストも好みの“swearword”「悪態」をあっけらかんと披露する。複数の「4文字語」が発せられることも稀ではない。さすがにそのまま放送するのは憚られるようで、「ピーッ!」の音声が被せられる。唇の動きで内容はバレてしまうのだが…。とて…

Han Feizi(52)

荀子に学び、刑名法術(今日でいう政治法律)を唱えた韓非子のことばから。戦陣之間、 不厭詐偽。 戦陣の間には 詐偽(さぎ)を厭(いと)わず。 戦争では、はかりごとをもって敵を欺くことも、敢えてしなければならない。 それでは、本日のシャッフルクイズ…

“Inside the Actors Studio”(3)

10の質問に対する応答例。2001年にゲストとして招かれた、Robin Williamsの場合を紹介する。 クロワッカclowacka?(昆虫の名だと主張) c*nt 妻の笑い声my wife's laugh 幼児虐待violence for children 屁の音fart(ことばではなく、巧みな擬音で表現…

“Inside the Actors Studio”(2)

ベルナール・ピヴォーが作成した10問を紹介する。 What is your favorite word? 「お気に入りのことばは?」 What is your least favorite word? 「あまり好きではないことばは?」 What turns you on creatively, spiritually or emotionally? 「精神や気…

“Inside the Actors Studio”

米Brabo TVの公開収録番組。1994年の放送開始。アカデミー賞など、華麗な受賞歴を持つゲスト(俳優、監督)が毎回登場する。邦題は毎回異なり、例えば「クリント・イーストウッド自らを語る」のように、「ゲスト名+自らを語る」の形をとる。司会のJames…

想夫恋といふ楽は

吉田兼好著『徒然草』二百十四段から。 「『想夫恋』という唐楽の曲は、女が男を恋い慕う情を表している故についた名ではない。正しくは『相府蓮』であり、音が似通っているため誤って用いられるようになったものである。晉(しん)の王倹(おうけん)が相府…

たとえ火の中水の中(2)

「水火も辞せず」という気持ちを伝える場合に、直訳よりも「砕けたガラス片の上を四つん這いになって進む」と意訳した方が米国人の共感を得やすい、と一昨日書いた。実際、ハリウッド映画にも砕けたガラス上を進むシーンが登場する。1988年制作の“Die Ha…

昭和の暮らし(12)

祖母がつけていた、昭和27(1952)年12月の家計簿から。 イスウルクス200円、200円。 クレオソート30円。 薬100円。 るり羽35円。 「イスウルクス」は、胃腸薬の名称。現在は流通していない。2週間毎に必ず記載。購入が途切れることは…

たとえ火の中水の中

目的達成のためには苦痛も厭わぬ、の意。直訳なら、 “I'll go through fire and water to 〜.” 「〜するためには、水火も辞せず」 となるか。to以下は不定詞。だが、このままではインパクトが今イチ。「苦痛」を具体化すると、米国人好みの表現に変わる。例…

Han Feizi(51)

荀子に学び、刑名法術(今日でいう政治法律)を唱えた韓非子のことばから。忘持度。 度を持つことを忘る。 寸法を度(はか)り、そのメモを忘れてきた。 鄭(てい)国の且置履(しょちり)。履(くつ)を買うため、足の大きさを度った。が、市場まで来てメモ…

宮城峡蒸溜所(11)

白鳥のねぐらがある小島に関するエピソード。繁茂する地衣類にも樹木にも人の手は加わっていない。自然に形成されたという。ただし、本体は新川川から運び上げられた岩。土砂を固めたものではない。間組から竣工記念品贈呈を打診された際、建設会社なら朝飯…

宮城峡蒸溜所(10)

池でひときわ目立つ白鳥のつがい。意外にも、動物園の出身ではない。余市工場に飛来し、そのままニッカ沼に居着いたペアの末裔だというからびっくり。人の姿に物怖じしない。可愛がられている証拠だろう。今では環境に溶け込み、全く違和感のないニッカ池。…

最明寺ノ入道

吉田兼好著『徒然草』二百十六段から。 「最明寺の入道(北条時頼)が鶴岡八幡宮に参詣なさった折に、先に使いをやって訪問を知らせておいてから、足利左馬入道宅にお立ち寄りになった際のこと。主がご馳走なさった次第は、以下の通り。第一献は、打ち鮑(ア…

宮城峡蒸溜所(9)

高純度のグレインが得られるカフェ式だが、弱点も併せ持つ。多塔化するほど香味が弱くなる。というか、ほとんど無くなってしまう。ところが、宮城峡蒸溜所にあるカフェ式は、塔が2つのみ。比較的多く香味が残留するのだという。もっとも、生産効率が良いと…

Han Feizi(50)

荀子に学び、刑名法術(今日でいう政治法律)を唱えた韓非子のことばから。人主以二目視一國、 一國以萬目視人主。 人主は二目を以て一国を視(み)、 一国は万目を以て人主を視る。 君主は自分の二つだけの目で一国の様子を見ているが、 一国は万人の目を以…

昭和の暮らし(11)

祖母がつけていた、昭和27(1952)年12月の家計簿から。 家屋税380円。 区長費23円、53円。 定会の菓子代100円。 木炭600円、1800円。 懐炉灰40円。 手袋1050円。 軍手50円。 仕立代750円。 靴修繕280円。 寒さには…

宮城峡蒸溜所(8)

カフェ式は、輸入を決めた1962年時点で既に旧式。本場スコットランドを含め海外でも廃棄した蒸溜所が多く、今は希少な代物。珍品中の珍品なのだが、非公開。レンガ壁の向こうを想像するしかない。カフェグレイン、カフェモルトを世に出す以前は、鶴17…

平宣時朝臣(たいらののぶときあそん)

吉田兼好著『徒然草』二百十五段から。 「歳をとってから、思い出として平宣時朝臣がなさった話。ある宵、最明寺の入道時頼がこの宣時をお呼びになった。『すぐに伺います』と申し上げたものの、直垂が見当たらない。ぐずぐず手間取っている内に、再び使いの…

宮城峡蒸溜所(7)

樹木の伐採を最小限にとどめ、自生している植物を極力残す。蒸溜所建設に当たり、竹鶴政孝の打ち出した基本方針の1つ。新緑を背景に建物の赤レンガが映える所以。見学コースのトップバッターは、蒸溜棟。と言っても、ポットスチル(単式蒸溜機)が入ってい…

Han Feizi(49)

荀子に学び、刑名法術(今日でいう政治法律)を唱えた韓非子のことばから。美者自美。 吾不知其美也。 美しい者は自ら美しとす。 吾れ其の美しきを知らざるなり。 美しい者が自分の美しさを自覚しているようでは、第三者から見れば、それは決して美しいこと…

ガチョウ(2)

ガチョウに関する話題の続き。 “Someone's goose is cooked.” 「〜はもうおしまいだ」 「〜の運は尽きた」 能動態なら “cook someone's goose” 「〜を破滅させる」 となる。今春、 「震災が東北の方でよかった」 と発言したI復興相。それに先立つ記者会見で…

宮城峡蒸溜所(6)

愛機を携えている。確認すると、ビデオは不可、写真はOK。ただし、中央制御室はダメとの返答。スナップが撮れれば充分。旅のよすがとなろう。13時半、見学スタート。受付嬢が案内係に変身。関連の(株)仙台ニッカサービス所属。最初に案内されるのは、3…

昭和の暮らし(10)

祖母がつけていた、昭和27(1952)年12月の家計簿から。 肉類の購入は、4度のみ。値が張るからか。量は不明。 かしわ及び豚肉300円。 牛レバー70円、70円。 牛肉240円。 米620円、620円。 もち米320円(4升)、1050円。 餅…