まちゃつの徒然日記

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宮城峡蒸溜所(7)

樹木の伐採を最小限にとどめ、自生している植物を極力残す。蒸溜所建設に当たり、竹鶴政孝の打ち出した基本方針の1つ。新緑を背景に建物の赤レンガが映える所以。見学コースのトップバッターは、蒸溜棟。と言っても、ポットスチル(単式蒸溜機)が入っているのではない。小さな直方体を繋ぎ合わせたような形状で、高さが10メートルほどもあるカフェ式連続式蒸溜機2塔が収められている。因みに、ポットスチル8基が収められているのは、奥にある大きな蒸溜棟の中。カフェ式は、1960年代初頭、グラスゴー所在の機械メーカー、ブレアーズ社から購入したもの。当初は仙台ではなく、Aビールの子会社、A酒造西宮工場内に設置されていた。3ヵ月間に渡りブレアーズ社員が使用方法を指導する、「プラント輸入」だったという。喉から手が出るほど欲しいカフェ式だが、当時のニッカには購入に足る資金がない。助け船を出したのは、「マッサン」とは摂津酒造時代からの知己、Aビール社長、山本為三郎。A酒造が購入、設置、蒸溜。ニッカがグレイン全量を引き取る形式が生まれた次第。その後、業績を向上させたニッカがA酒造を吸収。1969年、カフェ式連続式蒸溜機は晴れてニッカ所有となり、1999年現在地に移設された経緯を持つ。持つべきは友だが、人生は皮肉。「マッサン」を救った為三郎は、カフェ式購入の4年後に現役のまま急逝。72歳だったという。


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『死後、区が供養し(シゴクガクヨウシ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:食欲が起こる。