まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

勤番侍の江戸生活マニュアル(3)

青木直己著『下級武士の食日記』NHK出版から。 「貝類は種類も豊富で、ことにあさりやはまぐりは多く見られ、貝殻を取った抜き身で売られ、これまた安価でその上味も良く、おかずの第二位にあげています。同じ貝類でもかきの肉は大きいけれども味が薄く、故…

紀伊国坂(2)

赤プリでの会合が予定通りに終了。新幹線が出るまでの空き時間を利用して御用地を一周したことがある。丹下健三デザインの新館がまだ威容を誇っていた頃であり、赤坂見附駅を起点に反時計回りに進んだ。一日に百万台を収用する首都高「駐車場」の下から僅か…

紀伊国坂

赤坂御用地北東に隣接する紀伊国坂。御用地が、元は紀州藩中屋敷だったことを示唆してくれる。江戸時代には随分と寂しいところだったようで、小泉八雲の“MUJINA”には妖怪(のっぺらぼう)が登場。冒頭だけを紹介する。 On the Akasaka Road,in Tokyo,there i…

勤番侍の江戸生活マニュアル(2)

青木直己著『下級武士の食日記』NHK出版から。 「全国から江戸に集まった勤番侍には、いろいろな苦労があったようです。紀州藩の付家老安藤氏に仕えた侍医原田某は、勤番侍が田舎者と侮られぬよう、また銭一文でも安上がりに生活できるように、自らの体験に…

勤番侍の江戸生活マニュアル

青木直己著『下級武士の食日記』NHK出版から。 主人公は紀州藩士、酒井伴四郎。三十石取り。万延元年(1860)二十八歳の時、江戸勤番を命じられて単身赴任。自炊しながら中屋敷内の長屋に起居。著書の元となる詳細な日記を残した人物である。「長屋」と…

Xun Zi(36)

性善説を唱えた孟子に対して、性悪説を唱えた荀子のことばから。贈人以言、重於金石珠玉。 人に贈るに言を以てするは、金石珠玉よりも重し。 良いことばを人に贈ることは、金石珠玉を贈るにまさる尊さをもつものだ。 歳費手に年中ドライブする議員 それでは…

表記

同じ発音でも文字が異なれば、視覚的な印象が異なる例。 エイリアン…恐怖 絵入り餡…食欲 ところで、原発事故をきっかけに世界に広まった“Fukushima”の名。風評被害が止まらない。英語圏では、語頭の“Fuku”から“four-letter words”の“F'ck!”を連想する向きも…

すさまじきもの(11)

杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』二十二段。 「なお続けて、興ざめと思える例を挙げてみると…。自分では、『なかなかの出来だ』と自信まんまん詠んだ歌を、知人に贈ったのに、梨のつぶてで返歌ひとつよこさないのは興がさめる。恋文の場合は、う…

“What else?”

NスプレッソのCM。今回も稀代のイケメンおじさん、ジョージ・クルーニーを起用。 “What else?” 「外に何がある?」 の決め台詞を吐くと、妙齢の女性がついていく。 “Incomparable!” 「無類の美味しさ!」「これしかない!」 の意味だというから、修辞疑問。…

秋霜烈日

『広辞苑』によると、「秋におく霜と夏のはげしい日。刑罰または権威・志操のきびしくおごそかなことのたとえ」。検察官記章の別名にもなっている。厳正に職務を遂行することが特に求められる立場であることに由来するという。ところで、検察官の旧称は検事…

(?_?)

『赤ずきん』「アリナミン」の如く、語尾を「イ段+撥音」にしたくなる「病」にかかっている。某幹事長が映像に出ると、「あッ、Tニガキンちゃん」と口走る始末。CMに毒されている可能性もあるが、恐らくは単なる幼児性の名残だろう。先だって駅で大先生と待…

女子サッカーアジア最終予選異聞(5)

メイン・スタンド北端最上部、地上25メートル付近に設けられたNHKの仮設放送席。屋根だけはあるものの、背後にも左右にも壁はない。形ばかりのボードで囲われた「特設スタジオ」は、吹きさらし状態。まともに西風を受ける「特等」席。実況中継担当は、一橋…

女子サッカーアジア最終予選異聞(4)

1対3で敗北した、2/29のオーストラリア戦の話。 気象庁のHPによる当日の気象情報は、西または西南西の風。最大風速6.5メートル。最大瞬間風速14メートル。試合が始まる前の19時時点での気温は、6.8度。終了後の22時には、3.3度まで低下…

女子サッカーアジア最終予選異聞(3)

ワイヤーが取り付けられたのは4ヵ所。メインスタンド側照明灯上部に2ヵ所とバックスタンド側照明灯上部に2ヵ所。メインスタンド側の位置は、南北方向に延びる柱を両端から数えて2本目辺り。屋根の上にある照明灯の更に天辺故、客席からは見えづらい。バ…

Xun Zi(35)

性善説を唱えた孟子に対して、性悪説を唱えた荀子のことばから。乳彖不触虎。 乳彖(にゅうたん)は虎に触れず。 乳を飲む子豚は、虎に近づくような危険は冒さない。親思いの子は、危険なところには近づかない。 千億にコロリ二度目の煮え湯飲み それでは、…

すさまじきもの(10)

杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』二十二段。 「地方官の任命がおこなわれる県召(あがためし)の除目(じもく)で、なんの沙汰もこうむらなかった官吏の家も、興ざめて見えるものだ。『今年こそは、かならず望みどおりの官職に就けるだろう』と期…

女子サッカーアジア最終予選異聞(2)

スパイダー・カメラの取り付け作業が始まったのは、予選の始まる1週間ほど前。朝食を済ませてぼんやり窓外を眺める内に、思わぬ場所に人影を発見し驚愕。照明灯の最上部(!)で4名が何やら作業を行っている。ワイヤーの取り付け工事と知るのは、後刻。試…

女子サッカーアジア最終予選異聞

2勝2敗1分けの勝ち点7。リオ・オリンピック出場権が、なでしこの手からするりと抜けてしまった。残念な結果とは裏腹に、迫力満点だったのがNHKの中継。キンチョウ・スタジアムでは、初お目見えのスパイダー・カメラが三次元移動の大活躍。4ヵ所から延び…

真名井の滝(2)

遊歩道と呼ぶには足場の悪いところを川伝いにぞろぞろと15分。神硯(みすずり)の岩を手始めに、甌穴(おうけつ)、槍飛(やりとび)、鬼八(きはち)の力石、七ツヶ池を順に巡る。鬼八は、神話に登場する悪人。己の力を示すため、高千穂神社の祭神、三毛…

toast(2)

“Toast!”には「乾杯」の意味もある。祝杯にトーストの小片を入れたことから、とするのは『ジーニアス英和大辞典』。発声として “Cheers!”“Bottoms up!”「乾杯!」 “Here's to you!”「君の健康を祝って!」 “To our happiness!”「我らの幸福のために!」 など…

toast

“How would you like your toast,dark or light?” 「トーストの焼き加減は如何致しましょうか。しっかり焦げ目をつけましょうか、それともきつね色がお好みですか?」 個人的には、“Light,please.”と応じたい。 “dry toast”「何も塗らないトースト」 “butter…

すさまじきもの(9)

杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』二十二段。 「また、物の怪の調伏を依頼した修験者が、大得意のしたり顔で、よりましと呼ばれる憑依者に数珠や独鈷(どっこ)を持たせ、責め声をしぼって経を読むけれど、物の怪は退散する気配がなく、仏法守護の…

真名井の滝

ウィーク・デイなのに「超」の付く混雑。到着したと思ったら、係員の誘導で第2駐車場に回される。川縁の駐車スペースは、長さも幅もKBには不足。おまけに背後は崖。車体が枠に収まらず、ボディ前部が通路にはみ出す。両サイドは、ドアを開けるのにも苦労す…

高森峠(3)

43年が経過。峠への入口であるR265との合流まで7キロ地点のコンビニにいる。大観峰からの約40キロに2時間を費やすものの、ほとんどが車中。観光はゼロ。噴火口はもちろん、草千里ヶ浜さえ拝めていない。南阿蘇鉄道・南阿蘇水の生まれる里白水高原駅…

Xun Zi(34)

性善説を唱えた孟子に対して、性悪説を唱えた荀子のことばから。 文中の「狐父(こほ)」は、良い戈(ほこ)の産地。以狐父之戈、刺牛矢也。 狐父の戈を以て牛矢(ぎゅうし)を刺すなり。 狐父産の立派な戈で、牛の糞を刺すような愚かなことはするな。尊いも…

高森峠(2)

ところで、三十路半ばと思しき男性運転手のテクニックが超絶。ギア・チェンジに伴うショックを出さない。噛み合う回転数が音で分かるのだろう。抜群のクラッチ操作。ヘアピンの度に変化する振幅と勾配にも、絶妙のアクセルワークで一定の速度を保つ。加速度…

女王

『ラジオ深夜便』の話題から。 「じょうおう」ではなく「じょおう」の読みが正しい、と一度触れた。確かに、「女」に「じょう」の読みはない。でも、つい「じょうおう」と喋ってしまう。三つ子の魂百まで。目からではなく、幼い頃に耳から得た情報だったから…

高森峠

R325の旧道。通称は九十九曲がり。ヘアピンが続く様は、日光いろは坂の弟分といった感じ。が、振幅が短く、狭隘。しかも、数が格段に多い。断崖を縫い、センターライン無しの1.5車線が延々と続く。大型車にとっては、離合が限られる難所。現在は、旧道…

阿蘇パノラマライン(9)

視界が開け始めるのは、M字ヘアピンに差し掛かる頃。五岳をすっぽり覆う雲からようやく這い出る。標高は800メートル辺り。悪夢から覚めた気分も手伝い、歩行者並みだった速度は自転車を通り越して制限速度にまでアップ。右手に南郷谷を見下ろし、3速のエ…

すさまじきもの(8)

杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』二十二段。 「男の来訪を待ち受けている女の家の門を、夜更けにほとほとたたく音がする。『さあ、お越しだわ』と胸をどきつかせながら召使いに門を開けさせると、それが別人…。待っていた男とは比較にもならない…