まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

すさまじきもの(9)

杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』二十二段。
「また、物の怪の調伏を依頼した修験者が、大得意のしたり顔で、よりましと呼ばれる憑依者に数珠や独鈷(どっこ)を持たせ、責め声をしぼって経を読むけれど、物の怪は退散する気配がなく、仏法守護の護法童子も味方しないので、もろもろに祈念していた家族たちも『おかしいなあ』と効験のほどを疑いだすうちに、刻限ばかりどんどんたって、二時間にも及んでしまった。さしも高慢な修験者もくたびれ果て、しまいには焦れだして、『頑固な物の怪め、なぜ憑かぬのだ』とよりましに当たり散らし、『えい、とっとと立ち去れ』とその手から数珠をもぎ取ったあげく、『ああ、ああ、なぜ験(しるし)が現れぬのかなあ』と額の汗をふくついでにつるりとひと撫で、頭を撫でる。そして、大あくびをしたと思うまもなく、物に寄りかかって鼾(いびき)をかきだすのは、興ざめもはなはだしい」
よりまし:神霊が取り付く人間。特に、祈祷師が神霊を招き寄せて乗り移らせたり、託宣を告げさせたりするために伴う霊媒としての女性や童子
護法童子:仏法守護の護法善神に使役される童子姿の鬼神。


   釜山発数多の港へ運ぶ荷駄


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『今後食う貨幣(コンゴクウカヘイ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:日本の植民地に。