「酒の肴に豆腐以上のものを求めるのは、贅沢というもの」大村益次郎のことばだったか。まちゃつも賛成。最近は柔な木綿しか見かけないが、荒縄で括って運べるほどタフな木綿なら言うことはない。湯豆腐、片栗粉をまぶした揚げ出しもいいし、冷や奴も捨てがたい。「豆腐」が付いても、胡麻豆腐には大豆は使われていない。すりつぶした白胡麻に水で溶いた葛粉をまぜ、火にかけて練り冷やして固めたものだからである。４月に高野山でプリップリッしたのを頂いた。ところで、半世紀以上前のロンドンでの話。ダブルデッカーに乗車するのは良いが、いつも予定の停留所で降りられず、通り過ぎてしまった停留所まで歩いて引き返す老人がいた。英語が堪能な若い同僚に相談すると、一言「揚げ豆腐」と運転手に叫べばよいとのこと。英語の“I'll get off.”（降ります）と発音が酷似。次からは大丈夫とのお墨付きをもらう。が、翌日も従来通り歩いて帰るはめに。後日、浮かない顔の白髪頭に若人が首尾を尋ねた。「豆腐」「豆腐」と念じながら乗車したものの、肝心な時に老人の口から飛び出したのは、「揚げ豆腐」ならぬ「胡麻豆腐」だったということである。運転手の怪訝な表情が偲ばれる。付け焼き刃ではあきまへん。ちゃんと勉強せな！
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『韻律、ペケ（インリツペケ）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：敷地面積に対する建築面積の割合。
