まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

恩師、Pehda先生(199)

“zephyr”(ゼファー)という語がある。ロングマン英英辞典には“a soft gentle wind”とあるから、「そよ風」がぴったりか。大文字の“Zephyr”はギリシア神話のゼピュロス(春を呼ぶ西風の神)に因み、擬人化された西風を意味する。米鉄道業の斜陽化が始まって久しいが、名だたる特急が国民を魅了した時代がある。1930年代後半から50年代にかけてのこと。自家用車に乗客を奪われ存続に危機を覚えた鉄道会社が、流線型の新型高速車両を次々に投入したからである。看板列車Denver Zephyrがシカゴ・デンバー間の試運転に成功するのは、1934年のこと。ペーダ先生は13歳である。1664キロメートルをわずか13時間5分で走破したというから、表定速度はおよそ127キロ! 約1/3に軽量化した新設計の流線型の3連接車体にディーゼルエンジンを搭載して達成している。営業開始時には試運転とは別の客車列車を使用。1500馬力のディーゼル機関車2台が、12両(寝台車、食堂車、展望車)を牽引し16時間で両都市を結んだという。表定速度104キロ! 国鉄最速の燕が69キロ、満鉄の誇るあじあでさえ82キロである。その速さのほどが偲ばれる。その頃できたショート・ストーリーだろう。ペーダ先生に習った出だしは“I'm riding on a limited express,one of the crack trains of the nation.”。 近くの若者に声をかける。 “Where are you going?” 返ってきたことばは“Omaha!”だったというもの。オマハは、デンバー・シカゴ間の中間地点。故に到着時間は深夜1時頃。降車してもどこへも行けない。現代に置き換えれば、大阪発札幌行き寝台特急トワイライトエクスプレスに乗車。秋田(午前0時頃到着、運転停車だから実際には乗客は乗り降りできない)で下車するようなものか。


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『難問バカ(ナンモンバカ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:鴨肉と葱とを入れたうどん・そば。