デフレに喘ぐ現代日本からは想像もつかないが、消費者物価指数が1年間に23%上昇したことがある。1974年のこと。物価も上がり過ぎると暮らしは塗炭の苦しみ。貨幣価値がどんどん目減りしていくのに、給料が上がるまでのタイムラグが発生するからである。その2年前、独特のしわがれ声で「みなさん、日本にはまだまだ土地がたくさんあります」と叫んでいたのは『日本列島改造論』の著者、田中角栄。まちゃつも購入して読んだ。1972年に首相となると地価が高騰を始める。1973年のオイルショックが追い打ちをかけ、あらゆる物が値上げとなる。総需要抑制政策のもと、公共事業を抑制し、預金準備率や公定歩合が矢継ぎ早に引き上げられた。身近な例では、街中のネオンサインが消され、テレビ放送は11時で打ち切られ、ガソリンスタンドは休日閉店という具合だ。23%という数字は加重平均された数字である。それ以上に値上がりするサービス・物品もある。例えば、紙は100%、低圧電力(200V)は200%に近い値上がりだった。こんな経験は二度とご免を被りたいが、時の首相にも同情を禁じ得ない。誰がやったにせよ、外に妙案があったとは思えない。たとえ、ロッキード社から本当にピーナツを5個貰っていたとしても…。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『地蔵、用事(ジゾウヨウジ)』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:徳川家菩提所。