所用でN吉六反まで市バスを利用した時のこと。運転席の真後ろに座る。季節は冬、時刻は午後６時前。日はとっぷりと暮れている。D戸バスターミナルで乗り換えた支線バスは、中央環状線に差しかかる。その上には近畿自動車道が被さっている。道路は通勤時間帯だから混雑。バスは西から東へ中環を横切らねばならないが、１度や２度の青信号では渡れない。ノロノロ進み何度か信号を待つうちに交差点に到達。さあ、（青信号でゴー）と思ったが、バスは発車しない。対向車は次々に交差点に進入。直進したり右左折したりしている。身を乗り出すようにして前方を注視している乗客の中には怪訝な顔も見える。誰も何も言わないまま青信号は終了。バスの運転手が発車を思いとどまった理由は、南北方向の車両が動き出してから初めて判明。高架下の暗黒部分と重なり非常に見えにくいものの、障害物が存在するのに運転手は気付いていたのである。障害物とは、建設資材の鉄筋。大型トラックの荷台の一番高い部分に積み込まれていた。後部に大きくはみ出しているにもかかわらず、赤布は取り付けられていない。全高の低い乗用車は通過できても、バスが通れば屋根に鉄筋が接触してしまうのである。緑ナンバーの情けない運転を街中で見かけることも多い。この四十がらみの運転手は、本物のプロであると思われた。降車の際、「毎日の安全運転、有り難うございます」と声を掛けたまちゃつである。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『風味とる葉（フウミトルハ）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：東京都中央区にある。
