三次元空間を移動する場合の動きを表すのに“pitch”“roll”“yaw”の３つの語がある。左右を軸とした回転が“pitch”。船の動きで表現する。船首が下がり船尾が上がったかと思えば、次の瞬間船首が上がり船尾が下がるような動きである。前後を軸とした回転が“roll”。左舷が下がり右舷が上がったかと思えば、次の瞬間左舷が上がり右舷が下がるような動きである。最後に上下を軸とした回転が“yaw”。船首が左を向き船尾を右に振ったかと思えば、次の瞬間船首が右を向き船尾を左に振るような動きである。平たく言えば、水平面内での回転をそう呼ぶ。航空機がヨー方向とロール方向との振動を繰り返す現象がダッチ・ロールである。四半世紀前の今日、８月１２日。帰宅するや否や「大変なことになっている！」とトフコさんの声。ボーイング７４７SR型機（日本航空１２３便伊丹行き、乗員乗客５２４名）が行方不明だというのである。後刻、群馬県御巣鷹山に墜落と判明。機体後部にいた女性ばかり４名が、奇跡的に救出される。事故調に依れば、修理ミスから圧力隔壁が損傷。衝撃で垂直尾翼及び油圧４系統すべてを失う。操縦不能となりダッチ・ロール状態に陥ったという。無論、操縦室ではこれらの情報は把握されておらず、エンジンの推力だけで機体をコントロールしようと努力する様子がボイスレコーダに残されている。バンクは、右６０°から左５０°に変化。乗客の恐怖は如何ばかりだったか。そんな混乱の中、残された僅かな時間に手帳やメモ用紙に遺言をしたためた乗客もいた。子ども達をよろしく、今までは幸せな人生だった等の文言は涙を誘う。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『廃れ庵（スタレアン）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：既に超新星爆発しているのかも。
