まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

志賀直哉旧居

その駅に下り列車で入線する時には独特の味わいがある。列車は右カーブを描いて山裾を縫う。右手斜面にしがみつく寺院、民家が車窓に迫る。左手軒先の切れ目すぐ近くに船のブリッジや煙突が見える。港がすぐそこ。駅の北側が山、南側が海らしい。水銀を流したようにレールが幾筋にも分かれ、まちゃつの乗車している博多行き急行「筑紫」は尾道に到着。下車して散策したい衝動に駆られるが、そんなことは出来ない。帰省途中の中学生だから。40年以上昔の話である。そんなことを思い出し、2009年、車での帰省途中に志賀直哉旧居を訪ねることにした。駅の東外れに目星をつけていた駐車場を発見。山陽本線は目の前。側のガード下をくぐり抜けると、急な階段が始まる。直哉もこの狭い路地を歩いたかと思うと、汗も苦にはならない。振り返ると向島フェリー。アブラゼミの声。案内板があって5分程で到着。3軒続きの棟割り長屋の東端が旧居である。3人も立てば身動きできない土間に、粗末なかまどと流しがある。直哉は賄いを近所の老婦人に任せていたので、ほとんど使われなかっただろう。土間を上がると3畳間と6畳間。直哉が寝ころんで眺めた向島の旧石切場が見える。眺めがよい部屋だ。鐘の音が入れば「暗夜行路の」の世界。長屋の西2軒は資料館になっている。大人300円。旧居の畳が傷み放題なのには胸が痛んだ。


それでは、本日のシャッフルクイズ。


サウンド抜き(サウンドヌキ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:腰が強い。