まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

包丁研ぎ

菜切り包丁(鉄製)の切れ味が鈍くなったから、研ぐよう亡母に頼まれたことがある。上手く出来ないなら業者に頼むからと言うと、買い物に出かけた。自信があったから、ほいほいと引き受ける。包丁の片面は平らで、もう一面は刃先だけ僅かに最初の面に折れ曲がっている。つまり、包丁を切っ先から見ると断面はアルファベットのVではなく、Vの先端から三角形を切り落としたようになっている。均一に力を加え入念に小1時間、平らな方の面を砥石で磨く。ピカピカだ。反対の面に移り、心持ち角度をつけて研ぐ。これが案外難しい。角度をつけすぎると、今まで以上に切れなくなる。左手の親指の指紋で刃先の鋭さを確かめながら、慎重に研ぐ。30分ほどで完成。試しに何か切ってみようと、冷蔵庫を開けた。キュウリしか入っていない。だから、買い物に行った訳か。一本取りだし(キュウリよ、最期の時が来た。観念しろ)と念じると、端の部分をサッと切った。素晴らしい切れ味。きっと、母も喜ぶだろう。ヘタがシンクに転がっているが、ポタポタと赤い液体もシンクに垂れる。(?)キュウリが出血なんて聞いたこともない。(ひょっとして、台所の天井から垂れてきたか?)と見上げたが、変わったところはない。出血の可能性があるのは、まちゃつだけだ。左手を見る。人差し指の爪の付け根辺りからパックリと傷口が開き、辛うじて先端部分が指にくっついている状態だ。どんどん出血している。不思議なことに痛みは全くない。普段ならトゲが刺さっても痛いのに。(傷口から質の悪い菌に感染し、下手をすると親から頂戴した体を一部無くしてしまうかもしれない)と思ったが、病院へ行こうとは考えなかった。診療報酬の不正請求を体験し、医師が信じられなくなっていたからだ。取りあえず、しばらく血を流したままにしてから止血。包帯を緩く巻く前に、台所の塩で消毒する。金敷の上に左人差し指を置き、ハンマーを振り下ろされたような激痛がはしる。心臓が左胸から指先に移動したかのように、左指がドキンドキンとやっている。古い記憶が呼び覚まされるからか、今、この文章を書く間も傷跡が痛む感じがする。幸い、1カ月で傷口はふさがり自然治癒。再生能力万歳。手術による縫い目のない傷跡だけが残っている。



それでは、本日のシャッフルクイズ。


『欄間押し馳せん(ランマオシハセン)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:和歌山県の温泉。