座位で除去作業が始まるとばかり思っていたら、ベッド並みに倒されてしまいびっくり。仰臥位で治療されるのは初めて。（楽でエエわ）と思ったのは、最初だけ。毎度苦しむことになるのだが、知る由もない。
「しみるかもしれません。痛かったら、左手を挙げて」
「あー」
としか言えない。口中に器具を突っ込まれたままだから。
（患者と意思疎通を図りたいんやったら、一旦、作業の手を休めんかい！）
もちろん、口に出すことは出来ないし、出すつもりもない。抑制的でいられるのは、前頭前野がまだ無事な証拠か。歯科医が患者と正面から向き合っていた、座位の頃が懐かしい。挙手など不要だろう。患者の表情が変化すれば、ツウカアで分かってもらわねば困る。患者を仰臥位にすれば、座ったまま治療が行える。歯科医師は楽なのだろうが、寝かされている側は呼吸がし辛い。横隔膜の圧迫か、口蓋垂（のどちんこ）の垂れ下がりか、何れかが原因だろう。横向きだと幾分楽になるのだが、そうさせてはくれない。苦しみのあまり、ついには体がぴくぴく状態に。
「口の中の水は呑み込んで下さい」
（アホか！ 排唾管使えやッ！）
床と水平方向で口を開けたままの姿勢といえば、背泳に近い。口呼吸となってしまう遠因かもしれない。診察台の上で何度も溺れかけた(T_T)。
町内を晴雨に二分夏の雨
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『イボがやけにくっつく日（イボガヤケニクッツクヒ）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：一度縁が切れて元の関係にかえる。
