まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

にくきもの(14)

杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』二十五段。
「くしゃみをした直後、急いで魔除けの呪文を唱えるかつぎ屋も好かない。一家の主人ででもあるならば傍若無人も許されようが、そうでもないくせに大きなくしゃみを無遠慮にする男は、見ていて憎々しい。着物の下を跳ねまわる蚤も、いやなものだ。かゆさにたまらなくなって、寝ている人間もとび起きてしまう。小さいくせに憎らしい。何匹もの犬が声を合わせて、ながながと遠ぼえするのも不吉な、不愉快なものである」
垂直長屋に暮らしていると、地上の物音は意外にはっきりと届く。子犬の鳴き声や高校生の会話さえも然り。植物が少なく、コンクリートにこだまするせいか。くしゃみなど、地上より増幅されている感じすらある。蚤取り粉(除虫菊が原料)が普及するのは、文明開化期以後のこと。蚊取り線香が発明されるのは、まだその後のこと。貴族といえども、蚊遣り火(ヨモギやスギの青葉による煙)に頼る外ない。少納言も、虫除けには苦労したことであろう。


   「密着」を
   謳えど診察
   週四日


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『遺命背負う(イメイセオウ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:Pluto