まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

たくみの物食うこそ

杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』三百十三段。
「大工たちの食事の仕方は、じつに奇妙だ。寝殿を建て、それに東の対の屋を付属させる工事のさい、彼らが居並んで食事をする様子を、偶然、東面(ひがしおもて)に出ていて、私は見たことがあるけれど、まず待ちかまえてでもいたように、運ばれてきた汁をみな飲んでしまった。そして、入れ物を無造作にそばに置く。続いて副食(おかず)が出てきたが、これもすべて食ってのけた。『ははあ、さては主食は不用なのだな』と見ているうちに、山盛りの飯がくる。あっというまにこれも腹中へ納まった。変わり者が一人だけ、そんな風変わりな食べ方をしたわけではない。たまたまその場にいた全員が、同じように汁は汁、おかずはおかず、飯は飯だけ口に詰めこんだのだ。つまり大工というものは、揃ってこのような食事のとり方をするのだろう。いやはや、あきれかえった連中ではないか」
宮中のような現場は棟梁にとって馴染みが薄く、緊張の極みにあったのだろう。あるいは、前もって品数が知らされておらず、出てくる順に口にしてしまったのかもしれない。親方や徒弟連にしても、棟梁の動作にただ従っただけかもしれない。その日だけ親方が代理で指揮を執った可能性だって否定できない。だが、考えられる最も自然な理由は空腹か。仕事は明るい内にしかできない。職人の朝は、少納言が起きる時刻よりずっと早かったはずである。庶民にある程度の理解を示す兼好法師に比べ、少納言はかなり辛辣。食事といえば、フレンチしか味わったことのない大工ばかりだった可能性も排除できないだろう。(まちゃつ、無理があるでッ!)


   ドップラー効果加わる夕空を
   入り日に向かう五つの航跡


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『お爺さんもチキン(オジイサンモチキン)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:元老。