「極楽。船の道。男女の中」
杉本苑子氏による現代語訳で『枕草子』百七十一段を紹介。「遠いようで近いものは、極楽。船で行く旅路。男女の仲。十万億土もの遠方と仏典には説かれているけれど、善事をおこない一心に念仏すれば、すぐさま行けるところ、それが極楽であろう」
余程の身分でない限り、歩いていくしかないのが昔の旅。船なら歩く必要がないばかりか、眠っている間に目的地に着く。回り道や峠越えもない。雨風もしのげるから、有り難かったはずである。現代に置きかえれば、一直線に飛ぶ空の旅といったところ。恋も世間に知られないようにひっそりするのが当たり前。人目を忍ぶ。また、「妻問い婚」といって、結婚しても必ずしも同居する訳ではない。深い仲が周囲に知れ渡ってから、「へぇー!」を連発する周囲の様子が目に浮かぶ。21世紀初頭の今日、差詰め液晶画面も当てはまる。テレビ、スマホにタブレット。遠くのものを間近に見せてくれる。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『植木、良い姿勢(ウエキヨイシセイ)』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:「ひまわり」。