まちゃつの徒然日記

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阿漕(2)

落語「西行」にも阿漕が登場する。僧でもあり歌人でもある西行(1118〜1190)だが、元は、鳥羽上皇に仕える北面の武士。本名は佐藤憲清(のりきよ)。『新古今和歌集』には、最大の94首が採録されている「巨人」。家集『山家集』には千六百首を収め、生涯に詠んだ和歌は二千首に及ぶという。落語の方は、23歳で出家する以前の話という設定。恋煩いで伏す憲清。相手は染殿の内侍。伝え聞いて可哀想に思った内侍が文を送る。めでたくデートに成功する憲清だが、別れ際に次の予定を尋ねると、「阿漕であろう」とだけ答えて内侍は立ち去ってしまう。二首の古歌
「伊勢の海阿漕が浦に引く網も度重なればあらわれにけり」
「逢うことを阿漕の島にひく鯛の度重なれば人も知りなん」
を踏まえた返事だったから、平たく言うと「何度も会っていると、世間の噂になってしまうやんか」というところか。意味が分からない憲清は武士を辞め、出家の道を歩むという筋になっている。「あこぎ」の意味など、今時の中学生には難しかろう。エレキに対して、音を電気的に増幅しない普通のギター(アコースティックギター)の略称と間違えられるくらいがオチか。


   「ナベヨシミ」
   濡れ手で粟の
   五十億


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『与太者殺しの色(ヨタモノコロシノイロ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:平和を装い、武力行使をほのめかす。