「まし」

昨冬の総選挙後、Y売朝刊一面下の広告に目がいった。首相就任が確実視される、自民党新総裁の顔写真付きなので目立つ。
９万部突破
『約束の日』安倍晋三試論
小川榮太郎著（幻冬舎１５７５円）とあり、吉田松陰の辞世が引用されている。

身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも
留め置かまし大和魂

「まし」を手元の古語辞典（旺文社）に当たる。最初に（「ませば…まし」「ましかば…まし」の形で）事実に反することを仮に想像し仮想する意を表す、とある。仮定法を彷彿とさせる用法の例文は、万葉集から採られている。

わが背子と二人見ませばいくばくか
この降る雪のうれしからまし
もし私の夫と二人で見るのなら、どんなに
この降る雪がうれしく感じられるだろうか。

「留め置かまし」だと、「留めて置いたら良かったのに、留めなかった」の意となってしまって辞世の趣旨と異なってしまう。同じ辞書の４番目には「推量」の意味が出ているから、「留め置くだろう」が松陰の意図だったか。まちゃつは、希望の助動詞「まほし」のつもりで理解しているが…。

　　　DQNにも
　　　投票可能な
　　　市長選

それでは、本日のシャッフルクイズ。

『妻と会うな（ツマトアウナ）』

今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：豆類を使った甘い菓子。