「ハンニバル」と聞いて、カルタゴの名将を思い浮かべるなら歴史通だ。紀元前にアルプスを越えローマ軍を破った軍人である。映画通ならレクター博士を連想するか。が、本日の「ハンニバル」はそのどちらでもない。セントルイスから北西へ１６０キロ離れた、ミシシッピ川沿いの都市City of Hannibalについての話。マーク・トウェインが４歳以降の少年期を過ごした町であり、トムやハックが活躍するSt. Petersburgのモデルとなった町である。人口１万７千人でこれといった産業を持たない。勢い観光に頼らざるを得なくなるから、町中マーク・トウェインだらけ。子ども時代を過ごした家、「栄光のペンキ塗り」のモデルになったであろう塀、判事だった父親の事務所、『トム・ソーヤーの冒険』に出てくる洞窟、蒸気船の船着き場、博物館の外、マーク・トウェイン・スクール、マーク・トウェイン通り、マーク・トウェイン・ブック＆ギフトショップなど、町中が過去の遺産に「おんぶにだっこ」状態。博物館の入場者数は年間５〜６万人で安定しているというが、SVで眺めただけでも市役所近辺のさびれ具合は隠しようがない。手入れがされず、汚れたままの車が目につく。日本にも似た境遇の町がある。島根県津和野町がそれ。人口８千人はハンニバルの半分。やはり鴎外記念館を観光の目玉に据えて町の活性化を図っている。でも、先人の遺産に頼るだけでは苦しい。第２、第３の鴎外やトウェインを生む環境の整備が望まれる。えっ、努力で文豪が生まれるかって？ 文豪を生むかどうかはともかく、元新聞記者の作家なら結構いるぜよ。
無愛想片手渡しの有権者
両手でハハーッに受付爆笑
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『おい、集まり！（オイアツマリ）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：賀茂祭。
