まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

鏡の中

「テンパ」と聞いて英単語“temper”を連想していたら、「天然パーマ」の略と知ってびっくりしたのは40年前のこと。15年前「テンパる」に遭遇した際にはもっと驚かされた。麻雀用語の「テンパイ」から「用意万端ととのう」の意味だろうと予想して聞いていると、話の筋がどうも変だ。「仲間内の気楽な会合に出かけたら、突然現れた上司にめちゃテンパった」などと使われている。プラス面ではなく、マイナス面の意味を持つ語らしいと気付く。「余裕がなくなり焦っている」状態を指すと分かるまでに少しくタイムラグが生じた次第である。ことばは生き物。ゲーム中の有利な立場を示す「テンパイ」が、ゆとりのない立場を表す「テンパる」に「変身」してもおかしくはない。5月の晴れ渡った爽やかな空を意味すると思い込んでいる「五月晴れ」も、元は梅雨の晴れ間の意味でしかない。「結構」だって「旅行は大いに結構だ」と賛成・満足を表すかと思えば、「もう結構です」のように断りの際の文言になったりもする。英語でも似たような現象が起こるとみえて、話は冒頭の“temper”に戻る。「すぐに怒る」“have a quick temper”に使われている“temper”は「腹立ち」「かんしゃく」の意。ところが“keep one's temper”「我慢する」や“Temper,temper!”「落ち着け、落ち着け!」中の“temper”なら「平静な気分」「落ち着き」の意だという。鏡の中の世界のように、英語と日本語とではひっくり返る表現も多い。だが、鏡を2枚向かい合わせると、左右がひっくり返っていない像も所々には見つかるものである。ところで、気の短い人のことを日本語では「瞬間湯沸かし器」と呼んだりする。同様に英語でも“temper”の代わりに“fuse”を用いて“have a short fuse”とやればちょっと洒落た表現になるかもね。


   都構想本気で区割りができるのか
   画餅に帰さば民主の二の舞


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『春うららが似合う(ハルウララガニアウ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:内情が複雑。