30歳そこそこで液体燃料ロケットを開発。宇宙空間に飛び出した最初の人工物V2でロンドンを空襲したナチスの技術者だが、60年代には達成不可能と思われた月面有人探査を成功に導いたNASAの技術者でもある。評価の難しい人物。好意的に評価すれば、ロケット研究・開発継続のためには祖国脱出をも厭わず、望遠鏡で眺めるしかなかった世界に初めて人間を送り込んだ天才的技術者、というところか。正確な氏名は、Wernher Magnus Maximilian Freiherr von Braun(1912年3/23〜1977年6/16)。ドイツ帝国東部の都市、ポーゼン(現ポーランドのポズナニ)近郊にユンカー(貴族)の次男として誕生。父親は男爵で農相を務めている。母親Emmy von Quistorphaは更に名門の出身。祖先をたどると中世のヨーロッパ王族、フランス王フィリップ3世やイングランド王エドワード3世にまで至るという。因みにエドワード3世の治世(1327年〜1377年)下のイギリス議会は、既に上院と下院の二院制となっている。これから先、読者の中から欧州の由緒ある家柄の人物と会う方が出ぬとも限らない。そんな場合でも、気後れは無用。我が国の方がもっと凄い。例えば、近衛さん、鷹司さんに始まり、全国各地の安藤さん、伊藤さん、佐藤さんなど、「藤」の付く名字を持つ方の中には、中臣鎌足が祖先という方もあるはず。大化の改新(645年)にまで遡るんだから、堂々としていればよい。話が脇にそれた。第一次大戦に敗戦したため、ポーゼンはドイツ領からポーランド領となる。狭められた国土に引き揚げを余儀なくされ、一家はベルリンに落ち着く。幼少時はチェロやピアノの演奏に長けており、楽譜無しにバッハやベートーベンを演奏。作曲家になるのが夢だったという。
伸ばすだけ伸ばして立てて撫でつけて
空しさぞ知る一滴の雨
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『千葉人、自害(チバジンジガイ)』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:1つを見れば、他のすべてのことを推察できる。