勧められて運転席に着座。先ず計器類の配置に目がいく。ステアリング奥にエンジン回転計と速度計の大きめの２眼が、左側には燃料ゲージや電流計、水温計など、小さな単眼メーターが４つ並び壮観。それらは湾曲し記者会見場のカメラよろしくドライバーを向いている。助手席からの視線にも対応しようとする現代の車とは設計思想が異なる。ガラス面の少ないボディーデザイン故、後ろを振り返ると後方の視界が極端に狭い。が、それが包まれ感というか、タクシーなどにはない独特の雰囲気を醸し出す。口にこそ出さなかったが、金を出せばこんな世界もあるのかと内心驚嘆しドアを閉めた。翌日の落輪には人力で対処。携帯は無い時代、JAFを呼びに電話のあるところに出るだけでも時間がかかる。牽引フックにロープをかけ５０人ほどが引っ張ると、難なく脱出。大事には至らなかったが、ボディーと同色のスポイラーやスカートは、無惨に破損。金属製だとばかり思っていたパーツは、何と樹脂製！ 落ち込んだモヤシ君の様子には傍目にも気の毒なものがあった。
クマゼミのタオル放して事切れぬ
短き一世梅雨明けの朝
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『カオスを見ろ（カオスヲミロ）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：僧・尼となる。
