まちゃつの徒然日記

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空襲下のロンドン(2)

大戦中の生活を示す1枚の写真。被写体は公園のベンチに腰掛けて本を読む熟年男性。グレーのズボンに同色の靴下、ベストとジャケットは黒でネクタイ姿である。頭はごま塩。ソフト帽を右脇に置いている。背景の樹木との間にある芝生では何やら作業中。どうやらシルバーの大型気球を揚げる準備のようだ。上空には既に揚げられた同型気球が豆粒大になって見える。戦時故、観測気球ではない。“barrage balloon”「阻塞(そさい)気球」と呼ばれる防御兵器であり、金属ケーブルで係留される。低空で侵入する急降下爆撃機やV1の攻撃を困難にする目的で設置されたもの。写真の説明にある“Stiff upper lip”は「苦境にも動じず」とでも訳すか。「アングロサクソンは唇を固く閉じてじっと耐える」と研究社の『カレッジライトハウス』にある。撃退はしたものの、1940年7月から翌1941年5月にかけての空襲の犠牲者は、民間人だけで4万5千人(その内の半数がロンドン市民)に上る。非常時こそ平常心が大切。普段通りの習慣をできるだけ維持しようとする男性の姿勢には感服させられる。


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『なぬ、我が輩?(ナヌワガハイ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:はっきり言わない方が…。