１９８８年のFormula１レース全１６戦中、１５戦を制したエンジンである。１.５リッター８０度V６ツインターボ６８５馬力。もちろん日本製。前年のレースに使用されたRA167Eは、更にパワフル。１万２０００回転で１０１０馬力を発生した。あまりのモンスターぶりにFIA（国際自動車連盟）が規定を変更。１９８９年のレースからはターボを締め出し、自然吸気式の排気量３．５リッターまでのエンジンのみで競うことを決定する。ターボエンジン車が出場できる最終年となった１９８８年、逆風となる規定が更に２つ加わる。過給圧が４．０バールから２．５バールに、燃料制限も１９５リッターから１５０リッターに引き下げられたのである。過給圧が下がればパワーの低下は避けられない。おまけに燃料と空気を高圧で燃焼室に送り込む仕掛けのターボは、燃費が悪い。自然吸気式の３．５リッターV８に燃料制限はない。４５リッターも使用燃料を減らされたのでは、とても太刀打ちできないと思われた。が、RA168Aはパワーを落とした分、極秘裏に省エネを実現。燃料を余して圧勝。F１の歴史に金字塔を打ち立てた。アイルトン・セナやアラン・プロストらのテクニックも凄かったのだろうが、直線コースで３．５リッターV８フォードDFZを抜き去るシーンは痛快。まちゃつがホンダユーザーとなったきっかけである。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『面妖、知恵比べ（メンヨウチエクラベ）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：江戸の職人口調。
