春秋時代の思想家、孔子(551B.C.〜479B.C.)のことばから。
貧而無怨難。
富而無驕易。
貧しくして怨(うら)みなきは、難(かた)し。
富みて驕るなきは易(やす)し。
貧乏に陥ると、とかく世をうらみ、他人を咎めるのが人情である。貧しい境遇にあって、なお且つうらみを持たないことは難しい。立派な人生態度である。それは富者となって驕りを抑えるよりも難しい。
『平家物語』冒頭に「驕れる人も久しからず、只春の夜の夢のごとし」とある。清盛が従一位太政大臣となるのは1156年。壇ノ浦の戦いが1185年だから、平氏の勢いがピークを迎えてから全滅するまで20年もかかっていない。驕りや高ぶりと無縁だったからかどうかはさておき、江戸幕府は260余年継続する。仮に無縁でいられたとしても、貧しくして世を恨まないことに比べれば簡単なことである、と孔子は言う。世の安定のためには、貧困の撲滅が欠かせない。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『困苦、抱いて(コンクダイテ)』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:打出の小槌を持つ。