まちゃつの徒然日記

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Cary Grant

「観客に『あんな人物になりたい』と思わせることの出来る唯一の俳優」同じ英国出身の名優ローレンス・オリヴィエ(3/1付日記に登場)のことば。賛辞を呈されたのは、本日話題の俳優、ケイリー・グラント(1904年1/18〜1986年11/29)。一角の人物、でも親しみがある。並以上の体力をもつが、粗野ではない。そんなキャラを上品なアクセントで二枚目が演じるのだから、たちまちハリウッドのスターに上り詰める。74本の映画に出演。自分がなりたいと思う大人物を演じている内に、その人物が自分になってしまったのだという。環境は人を変えるってこと。イギリス南西部、ブリストル市北端に位置するHorfield生まれ。本名、Archibald Alexander Leach。第2子であるが、一人っ子として育つ。第1子がすぐに他界。母親は鬱病を患い、精神科に入院。9歳のアーチボルドに父親は、母親が休暇で長期の旅に出た旨言い含める。施設内で母親が存命中だと知ったのは、31歳を迎えてからである。大学を目指す上流階級の子弟は、パブリックスクールに進む。庶民の子弟だと、受験に必要なラテン語ギリシア語も扱う公立のグラマースクールに進学。アーチボルドはFairfield Grammar Schoolに合格しているから、勉強は出来たのだろう。が、14歳の時に放校処分の憂き目に会う。劇団に入り、16歳から2年間米国を巡業。仲間が帰国した後も独り米国に残留。竹馬乗り、曲芸、パントマイム、ジャグラーなどをこなす。小さな劇団でミュージカル“Irene”“Rio Rita”“The Three Musketeers”を本名のリーチで演じて回る内に、軽喜劇でブロードウェーの舞台に立つ。パラマウントと契約しハリウッドに移った時のこと。好印象を持った上層部から芸名の希望を聞かれ、何気なく直前まで演じていた劇中人物“Cary Lockwood”の名を口にする。パラマウント側は“Cary”にはOKを出すものの、“Lockwood”には難色を示す。類似の役者名が既に存在したからである。会社側が対案として出したのが“Grant”。リーチは大喜び。イニシャルのCGが当時の2大スターClark GableやGary Cooperと同じだったからである。『めぐり逢い』『北北西に進路を取れ』『シャレード』がまちゃつのお薦め。俳優には、ナタリー・ポートマンのようなハーバード大出身者もいるけれど、小卒で名を揚げた者もいる。ケーリー・グラントは面白いところもある人で、雑誌社から代理店に届いた電報“HOW OLD CARY GRANT?”「幾つになったかな、ケーリー・グラントは?」(「老ケーリー・グラントはどんな状態?」とも取れる)に本人が“OLD CARY GRANT FINE. HOW YOU?”「老ケーリー・グラントは元気、そっちはどう?」と打ち返したという。最後は本人の大受けのネタで締めくくる。“Everyone wants to be Cary Grant. Even I want to be Cary Grant.”「皆さんがケイリー・グラントになりたいとおっしゃる。私でもケイリー・グラントにはなりたいがねぇ」


それでは、本日のシャッフルクイズ。


伊勢市、本能(イセシホンノウ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:モンテスキュー