まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

キロ80

「キ」は気動車。非電化区間に使用される。レールの上を走る点では電車と同じだが、モーターの代わりにディーゼルエンジンを使用。屋根から煙を吐くから、遠目にもそれと分かる。電車しか知らない乗客がホームで停車中の気動車に遭遇すれば、騒音と異臭とに顔をしかめるに相違ない。いわば、トラックのエンジンを積んだ列車である。エンジン音は、「ブルン、ブルン」と表記されるのが一般的だが、NHさんには「ガキマシャ、ガキマシャ」と聞こえるらしい。「ロ」はグリーン車。普通車なら「キハ」、食堂車なら「キシ」。間もなく他線区に転属となるか、廃車になる運命であろう381系「くろしお」。新宮までの電化完成に伴い、紀勢線に華々しくデビューしたのは1978年。それまで天王寺・名古屋間を結ぶ「くろしお」に運用されていた、キロ80、キシ80、キハ81などが静かに姿を消す。まちゃつが乗車したのは、廃車される2年前の1976(昭和51)年8月16日昼下がり。名古屋発9:50「くろしお5号」が、新宮駅のホームに滑り込んでくる。ボンネット付きのキハ81を先頭に10両編成と長大。最後尾もブルドッグ顔のキハ81。9両目8両目がキロ80。7両目がキシ80。8両目海側窓際の指定席に腰を下ろす。赤系統のリクライニングシートはフットレスト付き。風景を眺めていたい。折角のリクライニングも使用しない。繁忙期だが、埋まった座席は半分程度。隣席は終着天王寺まで空いたままだった。食堂車を利用しない代わりに、車内販売で特製松阪牛弁当(2千円)とビールを購入。過去に食した駅弁の中ではベスト。最高時速100キロの実力を発揮するのは、和歌山を過ぎてからのこと。曲線の多さ故、それまでは鈍足。グリーン車の室内は想像していたほどうるさくはないが、くたびれた座席に細かい傷だらけの窓枠はみちのくでの労苦を偲ばせる。18時半、阪和線ホーム北端に到着。新快速が発着するホームの賑やかさとは裏腹。乗客が帰宅の途についた後のホームは、たそがれ時も相まって寂しい。鳳まで回送されるのを見送ろうかとも思ったが、汚れが気になるブルドッグに別れを告げた。キロ80もキシ80も解体されたけれど、キハ81なら今でも弁天町の交通科学博物館にいる。
YMさん、KMさん、お誕生日おめでとう。電池の研究、順調でっか?


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『見ずに叩いて(ミズニタタイテ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:弁舌すらすら。