日本で二・二六事件が起こり軍部独裁が始まろうとする１９３６（昭和１１）年、アメリカではコロラド川ブラック峡谷に５年の歳月をかけた巨大ダムが完成した。後に大統領の名に因んでフーバーダムと改められる、ボウルダーダムである。“boulder”は水の作用で角が取れた巨石の意。アーチ構造を支えるダム両端の岩盤が強度不足のため、重力式の長所を採り入れた、重力アーチ構造で建設されている。堰き止められてできた人工湖の名は、ミード湖。水分を補給しているにも関わらず倒れる建設作業員が続出。塩分を摂取するよう指導するまで増え続け、死者は１１２名を数える。熱中症が初めて知られるようになった現場でもある。規模を示すデータを紹介。（ ）内は、黒四ダムのデータ。高さ２２１（１８１）メートル、堤頂長３７９（４９２）メートル、基底部の幅２００メートル。黒四はドーム型のアーチ構造故、幅は極薄。平均値で１７メートル。こう書くと、「高さでちょっと負けてるだけやん！」というリアクションが出そうだが、話は最後まで聞きや。黒四の貯水量は、約２億トン。でも、フーバーは３５０億トン！！ 日本国内にあるダムの貯水量を全部かき集めても及ばぬ巨大さ。琵琶湖の水量２８０億トンをも凌駕。ミード湖は、長さ１８０km、最大水深も１５０mあるからね。発電量２０８万kWの内、現在２８％が南カリフォルニア地域に、２３％がネバダ州に、１９％がアリゾナ州に、１５％がロサンゼルスにそれぞれ送電される。７５年も前に琵琶湖より大きい人工湖を造った国アメリカ。第二次大戦ではその国と戦うこととなる、わが国は。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『いい籤（イイクジ）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：むさぼって食おうとする欲望。
