元首相の衆議院議員TAは、国会で読み間違いを連発。「未曾有」を「みぞゆう」、「踏襲」を「ふしゅう」と言い間違い、ジャーナリストの好餌となった。政治家が喋るプロなら、新聞記者はいわば書くプロ。プロが悪文を書いたり間違えたりるのは、素人から見ると面白い。見つけると、『新聞記事の面白さ』と題したスクラップブック入りとなる。下記は、２０００（平成１２）年９月１３日付A日新聞朝刊一面コラム『天声人語』である。TAの敵討ちをする気など更々ないが、ヒトは間違えるものなのである。いや、ヒトだから間違えるのかもしれぬ。面白い箇所があるのにお気づきだろうか？
きのうの本欄の、童謡「アメフリ」に触れた末尾は、時宜を得ず不適切だった。おわびします。筆者のいる東京都心部では十一日の夜が更けるにつれて雨脚が弱まり、途絶え、そのことにも誘われて、より新しい全国情報を確認しなかった▼同じころ、東海地方を中心とした雨は激しさを加え、十二日未明までに予報をはるかに上回る記録的な量に達した。名古屋では年間の降水量の四割近くに当たる雨が一日で降った。土砂が崩れ、河川がはんらんし、たくさんの家が浸水した。いのちを奪われた人もおられ、心から哀悼の意を表する▼この豪雨の襲来までは、日照りに悩む地域もあった。…以下略
「おわびします」の部分を「おわび申し上げる」とでもすれば、常体と敬体の混用が避けられる。そうなると字数が多くなりスペースに困るのであれば、「おわび致す」とやればよい。天声人語子も、２段落最後では「表します」ではなく常体で「表する」と書いていらっしゃる。謝罪の文面になるとすぐに敬体となってしまうのでは、小学生の作文と変わらない。天下のA日新聞ですぞ。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『短期パス（タンキパス）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：国名。
