叔父が住んでいたのが縁で、宮崎へは幼児の時分から足繁く通っている。半世紀以上になるが、これまでの訪問は決まって盆か正月。飛行機で大阪から１時間なのだが、花祭りに来られたのは今回が初めて。満開の桜に春らしい陽気だが、心は晴れない。丈母の通夜と葬儀のための来宮だからである。盛大で心のこもったセレモニーが済んで３日後、帰阪する前の半日を過ごそうと平和台公園まで歩くことにした。近すぎて一度も訪れたことがない。地図で神宮の北西に位置することを確かめたのが午前１０時半。風のないハイキング日和。１０号線をゆっくり北上。車はひっきりなしに通過するが、広い歩道に歩行者は皆無に近い。ウィークデイ故か、１１時半に到着するまでに見かけたのは、自転車４台に歩行者３人。アメリカの田舎並み！ 相川勝六さんの銅像を右手に見て木漏れ日の中、１５６（？）段を上る。バススペース以外の第１駐車場は、乗用車で満杯。でも、中央広場には４人組の女性グループが２組いるだけ。ほとんどが、はにわ館に集まっているのだろう。行き先は台湾か、高々度を飛行する旅客機の音が機影の後からついてくる。都会では聞こえないから、辺りが静かな証拠。３ヵ所からウグイスの声が響く。３０羽ほどの真っ白な鳩の群れが上空を旋回している。フェニックス動物園から逃げ出したか。平和の塔は、高さ３７メートル。７１年前の皇紀２６００（昭和１５）年を記念して建立されたものという。刻まれた文字「八紘一宇」は「天下をひとつの家のようにする」の意。GHQの指令で削られた経緯がある。塔の４隅に設えてある、奇御魂（くしみたま）、荒御魂（あらみたま）、和御魂（にぎみたま）、幸御魂（さちみたま）４体の像は、狸の焼き物で知られる信楽焼だという。滋賀県に嫁いだM井T子さん、お元気？
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『旦那、海浜（ダンナカイヒン）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：無いと、災害時に困る。
