まちゃつの徒然日記

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鬼塚道男

己の欲望のため他を傷つけたり、命を奪ったりする事件のニュースが後を絶たない。しかし、自分を犠牲にしても他の命を救おうとしたり、身の危険を顧みず共同体のために尽くそうとしたりする人物も世の中にはいる。本日話題の鬼塚道男は、後者の1人。バスが崖から転落するのを阻止するため自分の体を輪止めとし、乗客の命を救った車掌である。1947(昭和22)年9/1午前10時、長崎県はカンカン照りだったという。時津町打坂(うちざか)峠は、九十九折りの急勾配。運転手泣かせの「地獄坂」と呼ばれていた。戦後すぐのこと故、未舗装路でありガードレールは設置されていない。差しかかったのは、長崎自動車の大瀬戸発長崎行き木炭バス。ガソリンや軽油が不足する中で窮余の策として製造された、後部に大きな釜を設えたバスである。意図的に不完全燃焼を起こして得た木炭ガスがエネルギー源。パワーが出ないため、釜の燃焼のさせ方や運転には熟練を要したという。エンストすることも度々だったらしい。この日は、もうちょっとで坂道を上りきるという所でギアシャフトが外れてしまう。ブレーキの利かなくなったバスはズルズル後退。車外へ出て石を車輪止めとするよう命じる運転手の声。だが、道男が置いても置いても石は車輪に砕かれてしまう。崖まで数メートルに迫った時、鬼塚車掌は体を丸め自ら車輪止めとなったという。運転手が車体をジャッキアップ。助け出した時にはまだ息があったものの、搬送先の病院で亡くなる。殉職時、わずか21歳。1974年10月、長崎自動車時津町に建立した打坂地蔵尊は、鬼塚車掌を慰霊するためだという。


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『鬼太郎様、無事(キタロウサマブジ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:いよっ、サブちゃん。