ピナトゥボ山は、ルソン島西部にある火山。１９９１年６月に２０世紀最大級の噴火を起こす。衝撃で山頂が吹っ飛びカルデラを形成、１７４５メートルから１４８６メートルに低下した。火山灰は上空３万４千メートルにまで達し、火山灰相互の摩擦に因り火山雷が多発。成層圏に広がった二酸化硫黄は亜硫酸ガスに変化。太陽光を遮り地球全体の気温を０．５度低下させたという。降灰量は１０立方キロメートル。新燃岳で０．７立方キロメートル、ヨーロッパの航空網を麻痺させたエイヤフィヤトラヨークトルで２．５立方キロメートルというから、途方もない規模の噴火である。幸運にも噴火日の予想が的中し、避難に成功。数万人の命が救われた稀有な例としても知られる。火山の東４０キロメートルには、東南アジア最大のクラーク米空軍基地がかつて存在した。１万５千人が駐留。学校、レストラン、映画館、デパート、放送局にゴルフ場まで併せ持つ巨大な「町」でもあった。が、火山灰により格納庫が倒壊し多数の死傷者を出すに及ぶ。米軍は放棄を決定。６／１０に避難命令が出されると、司令官と最小限の将兵を残し、１万４５００名が火山の南西７５キロメートルに位置するスービック米海軍基地に移動。基地使用を１０年延長する米軍の要請をフィリピン上院が拒否したため、両基地は、１１／２６フィリピン政府に返還された。爾来、南シナ海は中国海軍の跳梁跋扈するところとなる。今後、沖縄の重要性が高まりこそすれ低まることはないのだが…。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『僕ら、靴つぶす（ボクラクツツブス）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：機能は分かるが構造の分からない装置。
