まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

トレーラーバス

変な動きをするバスがいる。幼稚園にあがる前の子どもの目にはそう見えた。昭和30年頃、初めて宮崎市に出かけた時のこと。通常のボンネットバスは、運転席から最後尾までほぼ直線。運転手も車掌も同じ単体の箱の中にいる。ところが、そのへんてこりんな奴は、運転手が乗る箱と乗客や車掌が乗る箱とに分かれている。右左折や後退の際、前部の箱だけが生き物のように首を振る。窓から下は濃紺、上部は白のツートンカラー。1950年まで生産された日野T25型。トラクター4.9トン、トレーラー6.5トン、左ハンドル、96人乗りの大型バスである。左ハンドルが採用されたのは、道路脇の歩行者が見やすかったためという。旧宮崎交通本社ビルが建つ前のバス乗り場兼車庫に、入庫しては乗客を乗せて出ていく。入出庫の際に見られるドライバーのハンドルさばきは圧巻。後退しながら右後ろの隅に入庫する場合を例に挙げる。単体のバスなら右にハンドルを切ってバックしてゆくのが普通だが、トレーラーバスの運転手はそうはしない。トラクターとトレーラーがただ一点で連結しているからである。いったん左に大きくハンドルを切って(きっかけハンドル)トレーラーを少しバックさせると、今度は大急ぎで右に切り直して右隅にぴたりと止める。幾ら見ていても見飽きないシーンであった。トレーラーで火災が発生したのに、トラクターの運転手が気付かずそのまま走行する事故が横須賀市で発生。19名の犠牲者が出て以来、トレーラーバスは生産されなくなったという。現在でも、このタイプにはしょっちゅうお目にかかる。残念ながら、人を乗せるのではなくコンテナを運んでいる。一般的に、トレーラーが長いと後退は容易で右左折が難しく、トレーラーが短いと後退は難しく右左折が易しいらしい。交差点でトレーラーに出合ったらハンドルさばきに注目。


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『大和の地図買うよ(ヤマトノチズカウヨ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:妻に10両出して貰い名馬を手にした。