繁根木（はねぎ）八幡宮のそばに住んでいた３歳の頃、母からバス通りにあるパン屋さんまでお使いを頼まれた。家から南へ真っ直ぐ歩いて１００メートル。左折し５０メートル。往復３００メートルの日帰り「出張」である。ルートが単純だし距離も短いので容易だと思われたが、問題はお釣りだった。幼児がパンを買いに来るのであるから、店員もお釣りをごまかしたりはしない。ただ、受け取ればいいじゃないかと思うのだが、母からはその場で金額を確かめるように求められた。コインの種類を覚え、自分自身で枚数を確かめなければならない。支払額が３０円だったか３５円だったか忘れてしまったが、お釣りを確かめることは、まちゃつには相当のプレッシャーになった。独りで何でも出来る子に育てたかったのだろう。さすがに、母も心配だったか。幼子には見つからないように、そっと後をついていったという。中学生になって聞かされた話である。「お釣りもちゃんと貰ってきたし、パンもしっかり持って帰ってきた。お利口さんね」と亡母に褒められ嬉しかったのは覚えている。道順以外には、行きは道の左側を通ることだけを考え、帰りは「右側を歩く」ことだけを念じていた。小さい子には当然ながら、大人並みの判断力はない。視点も低いから、遠くまで見通せない。興味のあることが出現すれば、直ぐに心を奪われてしまいがちで危険である。まちゃつなら、３，４歳の自分の子どもにお使いをさせることは出来ないし、やらせようと思ったこともない。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『プードル勝つわ（プードルカツワ）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：２０１０年、日本はベスト１６。
