日清戦争に比べて、日露戦争の死傷者数は激増したと聞く。正確な資料がない。仕方がないので、靖国神社に合祀された人数で比較する。日清が１万３６１９名、日露が８万８４２９名である。旅順攻囲戦でロシアの機関銃が日本軍に大損害を与えたからであろう。兵士に突撃だけを命じる無能な司令部に因る犠牲と言えなくもない。日露戦争を観戦したヨーロッパの駐在武官たちは、１０年後の第一次大戦では機関銃対策を講じる。歩兵が砲撃や銃撃から身を守る溝、つまり塹壕を掘るのである。様々なタイプがあったが、一般的な塹壕は深さも幅も約２ｍ。迫撃砲や手榴弾の攻撃に因る被害を最小限にとどめるため、ジグザグに掘られたという。場所によっては二重にも三重にも掘られ互いに連絡し、地下壕とも結びついていた。敵側に回り込まれないようにするため、塹壕はスイス国境から大西洋にまで続いたらしい。雨が降れば、糞尿混じりの汚泥の中故に伝染病が蔓延。夏季の皮膚病、冬季の凍傷、いずれも悪化すれば手足を切断せざるを得なかったという。エーリッヒ・レマルク著『西部戦線異状なし』は生々しい。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『魚、無害（ウオムガイ）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：生きた化石。
