１９５０年代、脳性麻痺、知的発達障碍、精神疾患を抱えた赤ん坊が多数見つかるようになる。M永乳業徳島工場で製造された粉ミルクに混入しているヒ素が原因だと究明したのは、岡山大学医学部。１９５５年のこと。判明しただけで１万３０００名がヒ素中毒になり、１３０名が死亡する。まちゃつも飲まされていたらしく、亡母はかなり心配したらしい。とても他人事とは思えない。M永乳業は１９５３年頃から、粉ミルクの溶解度を高めるため工業用第二燐酸ソーダを使用。M永は、ヒ素混入の事実をなかなか認めようとしなかった。１９７０年代に入り、生協を始めとするボイコット運動が盛り上がるようになる。被害者救済がおざなりになっていたからだ。それまで１５年間の裁判でM永は、不純物の混じった第二燐酸ソーダを自社に納入した業者にこそ責任があるとの主張を繰り返している。同じ頃、SLのボイラー洗浄用洗剤として第二燐酸ソーダを購入していた国鉄仙台鉄道管理局。事前の検査でヒ素混入を知り、製造元のN本軽金属にすべて返品している。ボイラーが傷むのが心配だったからである。年間２４０万人以上誕生した赤ん坊の内、今なお後遺症に苦しむ人がいる。人命が蒸気機関車のボイラー以下だったとは、二の句が継げない。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『石臼よ（イシウスヨ）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：石英で出来ている。
