まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

寝袋

ペーダ先生が亡くなってから数年後の年末、マンション前の歩道橋にホームレスが住みついた。氷点下の最低気温が予想される夜更け、仕事帰りに覗いてみる。階段が天井、壁は段ボール。毛布だけの寝床はもぬけの殻。食料でも調達に出かけたかと思ったら、違った。歩道をまちゃつの方に向かって、西から東へ歩いてくる。すれ違った後、それとなく観察。今度は東から西へ引き返している。同じ場所を往復している! 寒くて眠るどころではないのだろう。何とかしないと、このままでは凍死してしまう。まちゃつには大学生の頃から愛用の寝袋がある。米陸軍払い下げの中古だが、程度は良い。190cm超の大男でも使用可、しかも100%ダウンである。夜釣りやキャンプなどで使用し、思い出のある品だ。でも、中年になってからはほとんど使用していない。それを進呈すれば、壁が段ボールでも当分は凍えることはないだろう。人命に関わるんだ、まちゃつ! そう考えると、直ぐに部屋に上がり寝袋を持ってとって返した。「よかったら、これを使ってください。暖かいですから。水に濡らしちゃダメですよ」ホームレスは無言。でも、肯いて受け取る。10日後、市役所の係官らと応答する姿を見かけたのを最後に姿を消す。長居公園に設置された支援センターに収容されたのだろう。カーキ色のシュラフは持ち主に見放されたまま、雨に濡れ無惨な姿をさらす。2,3日して、環境事業局の収集車に持っていかれた。短い時間だったにせよ、人命を守るのに使われた。寝袋も暗い押入でくすぶっているよりは、存在意義を証明できたと言うべきか。


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『腕は持つ(ウデハモツ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
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