博多駅に近づけば、平和台球場が見えるかもしれないと秘かに期待。真っ暗になっても窓外を見つめ続ける。平和台球場は、前年常勝ジャイアンツを倒し日本シリーズに勝利した西鉄ライオンズの本拠地である。当時のまちゃつは知らないが、残念ながら「阿蘇」は博多駅を通らない。近道をするため途中で鹿児島本線を離れる。筑豊本線に入り、飯塚駅、直方駅に停車。夜景の中に暗黒のぼた山が幾つも見える。「ぼた」は、筑豊炭田で選炭された後に残る粗悪な石炭や岩石のこと。折尾で鹿児島本線に合流。門司駅で牽引役はSLから電気機関車に代わる。切り離す時は静かだが、連結する時には十数回のショックがドン、ドン、ドン…と後方へやってくる。機関車の方が数倍重いからであろう。いよいよ関門鉄道トンネルに突入する。長さ約３６００ｍ。世界最初の鉄道海底トンネル。大戦中の１９４２年に下りが、１９４４年に上りが開通している。シールド工法での工事中、トンネル内の空気が気泡となって関門海峡上に出たとか、トンネル内で海峡を通過する船舶のスクリュー音が聞こえたとか、聞かされていたまちゃつはかなり心配していた。トンネルが壊れるかもしれないと。窓を開けてトンネル内の空気を吸ってみる。湿っぽい。水滴も落ちてくる。窓を降ろすと直ぐに下関に着く。興奮したためか、鼻血が出る。再度SLが牽引するため、機関車の取り替え。ホームに売店があったのだろう。両親がうどんを買ってきた。下関駅のうどんは、素焼きのどんぶりに入っていた。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：３０２６ｍ。コロナ観測所がある。
