日本海側に豪雪をもたらす季節風のことではない。旅人の上着を脱がそうと、太陽と勝負をすることもない。名門である。鎌倉末期、新田義貞から軍忠状及び刀を下賜された人物は、「貞」の一字をもらい喜多風貞村と名乗っている。軍忠状は、自分の軍功を主将に上申しその承認を受け、論功行賞の証拠となる物。後に、喜多風を改め北風としたらしい。伝統的に海運業と酢醸造業を生業としていた。１６３９年、北風彦太郎は、加賀藩の用命で北前船の航路を開いているし、上方の酒を江戸に運び「下り酒」が一世を風靡する。上方からの「くだり物」が一流品。それ以外は「くだらん物」だった訳。また、幕末の北風正造は、現在の神戸市北区にあった別荘を勤王の志士達の密談場所に提供している。北風荘右衛門は、与謝蕪村のパトロンだったそうだ。この時代、神戸で北風の名を知らぬ者はない。常に１００人分の冷や飯を用意！！ 北風へ行けば、船乗りならば誰でも風呂にも食事にもありつけたという。テレビも携帯もない時代。情報の伝達には途方もなく時間がかかる。船乗りの持つ情報は貴重だったのだろう。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『棄民集う（キミンツドウ）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：卵を先に食べると素うどんや、という人もいる。
