まちゃつの徒然日記

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河盛好蔵(かわもりよしぞう)

小学生の頃読んだ『ファーブル昆虫記』の訳者だ。三好達治との共訳であるが、何しろ子ども故、いちいち訳者名など覚えていない。新潮文庫『人とつき合う法』とか『愛・自由・幸福』を書店で手にしたのは、大学生になってからである。「酒の飲み方」とか「子どもは親を選べない」論に対する反論とかが書いてあり、興味深かった。一番印象に残ったのは、エスプリとユーモアについての文章だ。それまで何年も悩まされてきた“humour”の意味が初めてはっきり分かったからである。手元の国語辞典には、「上品なおかしみ」「しゃれ」「かいぎゃく」とある。英英辞典には、“the quality in something that makes it funny and makes people laugh”とか“the ability to laugh at things and think that they are funny”とある。いまひとつ腑に落ちない。河盛流は、目から鱗が落ちる、すっきりした説明だ。同じ笑いをとるのでも、フランス人は相手をネタにして「お前は馬鹿だ」とやり、エスプリと呼ばれる。ところが、イギリス人の得意なユーモアは、自分の弱点をネタにして「自分は馬鹿だ」とやる。その弱点は、みんなの共感を得られるものであり、弱点を利用して笑うのだから、イギリス人は精神的に非常にタフである。第二次大戦中、ドイツ軍のロケット攻撃を受け屋根に穴の開いた図書館。正装した(!!)男性が何人か、爆撃などものともせず静かに本を読んでいる写真が残っている。同じく、空襲の被害を受けたデパートにかかってきた問い合わせ“Is your store open?”に対し“More open than usual.”と答える店員。「お店開いてますか」「普段よりもっと開いてますよ(爆弾の穴が開いているから)」ユーモアの神髄だろう。河盛好蔵(1902年10/4〜2000年3/27)は、大阪府立堺中学校(現三国丘高校)、三高、京都帝大仏文科卒。書籍を通じれば、京都帝大卒文学博士とも知りあえるのである。たとえ一方通行であるにしても。



それでは、本日のシャッフルクイズ。


ツンドラと冷えん(ツンドラトヒエン)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:試合で決まれば、盛りあがる。