まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

神様、仏様、稲尾様

「サイちゃん、あの時は君に連投させて済まなかった」糖尿病が悪化、死の床にあった三原脩が見舞いに来た稲尾和久に言ったことばだ。「サイちゃん」は、稲尾のニックネーム。「あの時」とは、1958年の日本シリーズである。三原率いる西鉄ライオンズは、読売ジャイアンツに3連敗。雨で1日休みの後、西鉄は4連勝し日本一となる。この時、ライオンズのエース稲尾和久は、7試合中6試合に登板、5連投、4完投した。驚喜した地元新聞が掲げたタイトルが本日の話題である。「あの頃は、投げられるだけで嬉しかったものです」と稲尾は応じたという。先発、中継ぎ、抑えの役割分担が確立していなかった頃のプロ野球である。先発したら、投球数にかかわらず完投が当然視されていた時代だ。大リーグの球数制限などは、「100球肩(100球しか投げられない弱い肩)」といって馬鹿にされていた。シーズン中にライオンズの投手陣が打たれ始めると、「魔術師」三原がベンチで独り言、「誰か(投げられる奴)おらんかなぁ」と。すると、前日完投したばかりの稲尾が「僕、いきます!」とマウンドへあがる。ガンダムファンなら、「僕」を「アムロ」に置き換えると雰囲気が少しは味わえる。前人未踏の400勝投手、金田正一でも成し遂げられなかった3年連続30勝、シーズン42勝などは、このような無茶(?)な投手起用で達成されたのだろう。当然肩を壊してしまう。「生まれかわって58年のような状況に遭遇したら、連投しますか、それと止めますか?」というインタビューを受けた稲尾。「『神様、仏様、稲尾様』は、ファンからの僕に対する勲章です。投手寿命より大切なものだと考えています。当然いくでしょう」と答えている。惜しくも、2007年11月13日逝去。感動を有り難う。



それでは、本日のシャッフルクイズ。


『木々喪失よ(キギソウシツヨ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:みんな、泣く?