大阪・伊丹空港を飛び立ち九州へ向かう。好きな座席はport（左舷）で、翼よりなるべく前の窓側だ。たまに南東方向に離陸することもあるが、大抵は北西方向に離陸し上昇を続けながら左旋回する。晴れていれば、緑の絨毯の中に武庫川、阪神競馬場、上ヶ原浄水場、Ｋ西学院キャンパスなどを垣間見、あっという間に大阪湾となり、関空が手に取るように見られるからだ。運が良ければ、ちょうどこの原稿中の数字の１くらいの大きさのカラフルな機体が離着陸する様子が拝めるはずである。しかし、この日は８月なのにあいにくの曇天、しかも自分の座席はstarboard （右舷）になってしまった。これでは、離陸時に空を眺めるしかない。（トホホ…）と思っていたら、starboard から窓外を眺めている乗客に素晴らしい光景が用意されていた。エアバスＡ３２０の影が雨雲を背景にくっきりと黒く写り、影の周りには金色の光の環が輝いている。ブロッケン現象だ。ブロッケンは、ドイツにある山の名前。高山での日の出・日没時に前面に霧がたちこめる時、陽光を背に立つと、自分の影が霧に投影され、影の周りに色のついた光の環が浮かび上がる現象をいう。太陽と反対側の席で、機体より下に雲があれば、同じ経験ができるかも。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『ケチ！都銀（ケチトギン）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：都道府県名。
