学校の行事で山登りがあると、必ずと言っていいほどやっている生徒がいた。「ヤッホー」と。返ってくるのは「アッホー」と相場が決まっている。中学一年生頃まで続いたか。都会では高層住宅の壁と壁の間や、校舎と校舎の間などで、結構みんな山彦を経験しているものなのだが、自然の中でというか、もっと大規模な山彦を体験したくて叫びたくなったのだと思う。ところが、森林限界を超えるような高山ならいざ知らず、木々が生い茂っているような低山ではなかなか山彦は発生しない。音を反射できないからであろう。Ｋ西大のＹ田、ＫＢ大のＴ山と共に３人で阿蘇山山頂に登った時のことだ。Ｙ田が急に「ヤッホー」と叫んでみないかと言い出した。３人以外には誰もいないのだから、勝手に叫べばいいのだが、大学生にもなり１人でやってみて山彦が起こらなかった場合を想像すると、照れくさかったのだろう。ちょっとおっちょこちょいな所があるふりをしているが、恥ずかしがり屋な所もあるＹ田である。誰が最初に叫ぶか、また何と叫ぶかで暫しやり取りがあって、結局、３人で「オーイ」と叫ぶことにする。１度叫ぶと、人の耳の形をした噴火口の中で４，５回反響がある。感動的だった。大学生３人は１５分間は叫び続けた、小学生のように。遊びは、単純なほどおもしろい。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『ウチいい子、自民譲ろ（ウチイイコジミンユズロ）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：地盤、看板、鞄を次男に譲る。
