隣のＡ市に住む従兄のＡＫ兄が、バスに乗ってＯ村まで遊びに来た。５歳のまちゃつからは、小学五年生は大人のように大きく見えた。幅１ｍくらいの小川が東西に流れている自宅の南側。雨上がりのため増水し、川面は黄土色になっていた。釣りに行こうと誘われたが、幼稚園児には激流だ。出かけてもいいかと母に尋ねると、川に落ちないように注意されたが許可は出た。延べ竿（継ぎ竿ではない安物）が２本ある。自分用の一本を持ち、父用のもう一本をＡＫ兄に貸すと勇んで西へ歩いた。竿を持ってはいても、自分で獲物を釣った経験はない。途中に架かる小さな橋の上から釣り糸を垂らす。流れが速く、釣り針についている餌のミミズが水面に見える。これでは釣れる訳がない。ＡＫ兄はというと、さすが五年生。橋から下流に向けて流速に合わせて歩きながら、ウキの動きを見ている。しばらく歩くと、また元の橋に戻るという動作を繰り返している。まちゃつも橋より上流に場所を移動し、従兄の動作を真似た。その直後だった。引きの強さに釣り竿が手を離れてしまう。まちゃつの叫びにＡＫ兄が気づき、下流で竿を引き上げてくれた。それから従兄はしばらく格闘し、獲物はつり上げられた。ウナギだった。釣り上げられても、なお暴れているから道糸はこんがらがってしまう。ＡＫ兄は手慣れたものだ。側の小石でウナギをコツン。静かになったウナギは、その日の夕食に蒲焼きとなって出た。こんなに旨いものが世の中にあるのかと思ったあの味は忘れられない。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：金属メッキに使用。
