初心者の頃は、一度運転するとアンダーシャツが汗びっしょり。居眠りどころではない。ところが、危険な山岳路を数百キロ走行し、その後高速道路となると話は別だ。極度の緊張を強いられる道の後では、高速道路はシフト操作もなく単調極まりない。しっかりとステアリングの１０時１０分を握り、ルームミラーやフェンダーミラーにちょくちょく視線をやりながら前方を見つめている、と思っているまちゃつ。ふと気づくと、眼前の風景が先程までと違う。一瞬眠ってしまったのだ。心底怖くなる。そんなときに限って次のパーキングまで３，４０ｋｍもある。高速で止まる訳にはいかない。二度と眠らないように、太ももを思いっきりつねる。痛さのあまり正気に戻るが、２回目３回目となるともう痛くない。すぐ眠たくなる。窓を開けて顔に風を当てるが、これも効果は最初だけ。そうだ歌を歌え、まちゃつ！ 山で遭難した人達がお互いを励ますために、声を出すだろう。「♪おお、牧場は緑。草の海、風が吹く…」１人でやると、これも効果はちょっとの間だけ。唯一効果があったのは、８０，９０，１００…右足の親指にちょいと力を入れるのだ。パーキング・エリアに入り１０分も眠ると、頭はスッキリ。別人のようになった。建設機械のセールスで九州一円を飛び回っていた叔父ＴＴに、運転中眠くなった場合の助言を乞う。「唾を出せば、眠気は去る。ガムでも飴でもスルメでも、何でもいいからしゃぶれ」とのことだった。それ以来、ダッシュボードに飴を欠かしたことはない。この件がトラウマになっているのか、夜眠くなり布団に入る際、（運転中じゃない、眠っていいんだよ、まちゃつ）と一度自分に言い聞かせた後でないと眠れなくなった。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『遺産が拡大（イサンガカクダイ）』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：大学名です。
