別府ICを出てすぐ。分かりやすい場所に３０台ほどの駐車スペースがあり、半分ほどが埋まっている。大分ナンバーがほとんどで、北九州と久留米が１台ずつ。東側に下り、奥まったところにも１０台ほどが止められる。こちらの方が入口に近いことは先刻承知。一番ぶつけられにくいところを選ぶ。ちょっとだけ坂を上り、白壁の洋館に小ぢんまりしたライトブラウンの玄関に至る。小規模なホテルに泊まるのは、久しぶり。車寄せを意識しなければ、気付かずに通り過ぎてしまいそうになるほど。改装前は旅館だったか、と勝手に想像。デイパックを背負ったまま館内へ。世はキャリーケース全盛時代だが、両手が塞がらないのが愛用の理由。ただ、２０年以上使い込んでいる。かなりくたびれているのは否めない。フロントはというと、こちらも小ぶり。宿帳への記入途中に蚊が飛来。「しめしめ、半袖の獲物を発見せり！」と思ったかどうか。「献血」に同意などしていないのに、勝手に左前腕に取り付く。重さは、約２ミリグラム。千匹集まってもたった２グラムにしかならないくらい軽い。が、軟着陸に失敗。デイパックの主に気付かれてしまう。「昼食」を摂りすぎていたのが運の尽き。筆記具を手放すや否や、百万倍を超える質量が華奢な体を押しつぶす。穏当を欠く喩えで言えば、１０万トンの「ロナルド・レーガン」が首領様にのし掛かったようなもの。腕にも右掌にもどす黒い血痕が付着した。間髪を入れず、
「始末しました！」
「すみません、ヤブ蚊が多いんです。ティッシュをお持ち致します」
と恐縮顔の女性フロント係が応じる。
真冬でも
凍えぬ知事から
出放題
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『アラフォ』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント：王。
