まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

起動加速度(3)

1957年公開の映画『昼下がりの情事』。クライマックスは、パリ・リヨン駅での発車シーン。デッキに立つのは、大富豪フラナガンゲイリー・クーパー)。数多の女性と浮き名を流した経歴の持ち主であり、地中海沿岸の保養地に向かおうとしている。一段低いホームから見上げるのは、見送りに来たアリアーヌ(オードリー・ヘプバーン)。引かれ合う二人だが、エンディング直前まで恋の駆け引きを続ける。動き始めた列車に合わせ、アリアーヌも進行方向にゆっくりと歩む。車上との対話を続ける内に、次第に急ぎ足になる。ホームの端に目を遣るカットが入り、徐々に速度を上げる列車。小走りで移動するアリアーヌ。ホームが途切れる寸前にフラナガンが抱き上げるのだが、映画ではこの間に50秒を要している。映像の世界でのこと故、もちろん実生活の時間とは同一視できない。が、仮に50秒という時間が正しく、パリ・リヨン駅ホームが200メートルくらいだと仮定すると、映画に出てくる列車の加速度は0.5km/h/sほどになる。似たようなシーンを現代の新幹線ホームで再現したくても無理があるだろう。発車前にドアはロックされてしまう。仮にドアが開いたままであっても、新幹線の起動加速度は2.6km/h/s。50秒間の対話どころか、オードリーはほんの数秒で振り切られてしまうからである。


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それでは、本日のシャッフルクイズ。


『鯛集まる(タイアツマル)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:度をこして甘い。