まちゃつの徒然日記

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職員条例(3)

大阪府でも市でも、職員に相対評価を実施。最低ランクの評価が連続すれば免職の可能性があるという。記事を読んで思い出したのが、旧海軍の勤務評定(考課表)。もちろん、直接経験した訳ではない。阿川弘之の『海軍こぼれ話』(光文社文庫)に教えてもらった。考課表は、「性行」「技能」「勤務」「身体」「本人申告欄」の5つから成る。軍医長が記す「身体」と「本人申告欄」を除く3つの欄は、艦長や航空隊指令の担当。文体は文語も口語も可。俗語の使用も可。ただし、廻りくどく曖昧な表現を避け、具体的に記述することが求められる。「頭はいいがドスケベなり」とか、「いわゆる泣き上戸。大酒を飲んで士官室で泣き、上官にからむ癖あり」とか書かれたらしい。並み以上なら「甲」、並みなら「乙」、並み以下なら「丙」の評定が下される。更にそれぞれを上中下の3ランクに分け、合計9ランクで評定し、年1回人事局に提出したという。仮名の艦長と少尉に登場願い、人事局の対応を大まかに覗いてみよう。今、ここにいるのは立派な青年士官、H下少尉。兵学校卒業後の見習い期間が終了、めでたく巡洋艦「なにわ」乗り組みとなった。艦長はF民大佐である。「性行」甲上、「技能」甲上、「勤務」甲下と抜群だったが、S民中佐乗艦の駆逐艦「みおつくし」に転勤すると考課表は急落。「乙」が1つに「丙」ばかりとなった。こんな時、人事局はすぐに評価を変えて序列を下げたりはしない。しばらく様子を見たという。翌年も同様に「乙下」に「丙」ばかり。それでも、まだ人事局はH下少尉の序列を下げたりはしない。逆に、「みおつくし」艦長S民中佐の評定の仕方がどんなものか、過去3年に渡り追跡調査を行ったという。評定者に問題がある可能性もあるから。要するに、旧海軍は、難関を突破してきた将来の提督候補を大切にしたということ。2年連続の最低評価くらいで降格を検討したりはしない。翻って、我が大阪。5%の最低評価は、20代の若者につけられるとのもっぱらの噂。大阪発展の芽を摘まぬか、甚だ心配である。バイクの爆音、ダンプのクラクションなど、不必要な騒音を規制する条例を制定した方がよほど気が利いている、と思うがねぇ。


   下り坂左へ曲がる369
   かかりしネズミ他府県ナンバー


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『図鑑泣く(ズカンナク)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:「なかんずく」と違うで。昔は、建築現場にたくさんあった。