まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

新聞記事の面白さ(12)

政治家の口から発せられたことばは、そのまま活字になる。新聞社でいうデスクも校閲も経由しない。ちょっと気の毒でもある。メディアの「餌食」となったのは、「未曾有(みぞう)」を「みぞゆう」と読んだ元首相だけではない。米国前大統領の話す変な英語には“Bushism”(ブッシュ流病的状態)なる不名誉なあだ名をつけられてしまう。“Neither in French nor in English nor in Mexican.”「フランス語にも英語にもないし、メキシコ語にもない」“Keep good relations with Grecians.”「グリシアと良好な関係を保て」など、ぽんぽん的(まちゃつ、根本的!)な間違いを連発。“Mexican”は“Spanish”(スペイン語)、“Grecians”は“Greeks”(ギリシア人)の誤りだろう。ところで、新聞の製作に話が移る。先ず、現場へ出かけ人から話を聞く。記者の書いた原稿をデスクがチェック。OKが出ると原稿は本社のデスクに送られ、整理記者に届けられる。内容の過不足を吟味し、ニュース価値を判断。見出しが付けられ、紙面が組まれていく。校閲部が記事を調べ終えると印刷に回され、1時間に18万枚(1秒間に50枚!)の高速で印字される。だが、間違い探しをするのも人間。“Nobody's perfect.”である。二重、三重の校閲をくぐり抜け、紙面を「飾る」ことも起きる。早速切り抜かれ、まちゃつのスクラップブック入りとなる。本日の話題は、2011年6月20日付Y売新聞朝刊一面、「津波 想定の2倍も」と題する記事。何か変なところはないだろうか。

大阪府では巨大津波に備えて、標高の低い場所に避難所がないかなど確認を急いでいる。現在の想定では津波の高さは3メートル弱だが、沿岸部に5〜6メートルの防潮堤を築いている。府は「科学的根拠なしに今後の対策を進めるのは難しい」とし、国の新しい想定が早期に示されることを求めている。

文末に3文連続で「いる」を用いたり、勝手に避難「所」をつくったりしたのはいただけない。まちゃつなら、文字数を減らして下記のように改めるが…。

大阪府では巨大津波に備えて、沿岸部に避難可能な場所がないか確認を急いでいる。想定される津波の高さは現在3メートル弱だが、防潮堤の高さは5〜6メートル。府は「科学的根拠なしに今後の対策を進めるのは難しい」とし、国が新しい想定を早期に示すよう求めている。


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『参ったアル(マイッタアル)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:文章に鋭さやしまりがないとこう呼ばれる。